LIXILグループの2018年度3月期の連結決算は、売上収益1兆6,648億円(前年同期比1.9%増)、事業利益753億円(同16.1%減)と増収減益であった。売上収益に関しては、前年度の子会社売却を要因とした売上減少の影響にも関わらず、積極的なマーケティング活動を通じて商品の差別化や商品シナジー、新規事業が売上に寄与し着実に成長することができた。事業利益に関しては、ハウジングテクノロジー事業の外部環境に大きく左右される事業構造への対応の遅れ、ウォーターテクノロジー事業の中東・南アフリカでの経済不振の影響、物流費の急増、人件費・マーケティング・IT費用等の販管費増加などにより計画未達かつ減益となった。一方、当期純利益に関しては、事業ポートフォリオの整理と簡素化が進んだことで、バランスシートの改善とコア事業への注力が可能になり2年連続で過去最高の当期利益を達成することができた。推進中の中期経営計画では、2018~2020年の3年間を「利益率の向上」に注力する期間と位置付けている。2018年度も、基本戦略であるデザイン、テクノロジー、品質、ブランド力による差別化を進め、水回り事業ではシナジーの最大化に向けて商品ラインナップをさらに拡充、ハウジング事業ではエンドユーザー目線のアプローチの強化に注力する。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 大幅減収続く家電量販店は「住宅事業」に活路を求める ~LIXILがエディオンの筆頭株主に~(2013年)
- 戦略ケース 新日軽株式会社 -BESTシステムによる経営合理化と販売店強化(1991年)
- 戦略ケース 株式会社INAX -INAXのショールーム戦略(1990年)
- 戦略ケース ショールーム戦略「XSITE」 -第3の空間創造~スーパー・イズ・ワンダフル~(1987年)
- 戦略ケース 株式会社INAX -INAX「X」への挑戦(1985年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。