エリア、商圏は同一ではないのだから、その特性に応じたマーケティング・ミックスを組むべきであるというのがエリア戦略の基本的な考え方です。
最大の狙いはエリア間格差への対応です。商圏の変動により、特定エリアへの顧客の集中化が進んでおり、営業の人的効率からいっても、投資効率からいっても成長エリアへ注力することがより大きな成果につながるわけです。
しかし、現実には多くの企業でエリア別の目標を抜きに、チャネル別の目標を設定し、活動が展開されており、長期的には効率低下を招いています。
さらに、こうした商圏変動は絶えず起こっていることに留意しなければなりません。固定的な営業フォーメーションではなく、変化にフレキシブルな対応が求められているといえます。
エリアの格差は、質的な面でも起こっています。各エリアによってターゲットは異なります。買い物客の特性が異なるわけですから、地域によって重点商品、重点ブランドも異なるはずです。平均値から低いから引き下げるという対応ではなく、その地域の特性とのギャップから点検しなればなりません。
エリア特性の捉え方の第一の指標は、客観的な外部特性です。具体的には、人口の規模と構造、消費の規模と特性(消費意識)、流通の構造と分布、交通の特徴、気候と風土などです。
第二には主観的な内部特性です。導入している商品構成であり、シェアとその推移、これまでの展開、流通基盤、支店・支社・営業所の主体的条件が含まれます。
この両面から、エリア特性を捉えることで、エリアの問題点が見えてくるわけで、エリア戦略を考える上での重要な前提条件となるものです。
参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ コロナ禍の訪問営業は時代遅れなのか?―「会うのが、いちばん。」(2021年)
- アフターコロナの営業戦略 激変市場に対応した小商圏型営業活動のすすめ(2021年)
- 営業現場の科学
関連用語
おすすめ新着記事

成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。 キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)
キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。

消費者調査データ トップは「ドライゼロ」、2位を争う「オールフリー」「のんある気分」
アップトレンドが続くノンアルコール飲料。調査結果は「アサヒ ドライゼロ」が首位を獲得、上位にはビールテイストが目立つなかで、「のんある気分」が健闘している。再購入意向では10位内にワインテイストやカクテルテイストの商品も食い込み、ジャンルとしての広がりを感じさせる。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 清貧・ゆとり世代が消費を牽引!賞与の使い道は?
近年賃金上昇の流れが広がるなかで、今年の消費を占う意味でも冬季賞与への関心が高まっていた。そこで、冬季賞与がどのように使われているか、「103万円の壁」の問題がどの程度関心を持たれているかを調査した。



