どちらかと言えば、単一企業が主体で展開されてきた販売促進・広告コミュニケーションに、業界・団体の販促が増えてきています。典型的には「○○の日」というゴロ合わせの日の設定と、それにまつわる様々なイベントプロモーションです。円高ショックによる不況が襲った80年代後半に、競って「○○の日」が設定されました。この種のイベントは、業界あげてのお祭りの様相もあり、特に中小企業主体の業界や、輸入自由化をにらんだ生鮮品の団体が主体でした。
「○○の日」に限らず、現在でも業界・団体の販促は増えていますが、近年では、その様相が変わってきています。
狙いとしては、
- 今まで世の中になかった商品を個別の企業の販促・広告ではなく、合同で普及運動を盛り上げる
- 業界の社会、環境責任としての姿勢を標榜し、運動を展開する -ゴミ問題、自然保護など社会テーマに対して、一企業の対応だけではなく、業界からのメッセージとして運動化する
- 輸入自由化をめぐる内外団体の販促
などが注目されます。
このように、業界・団体の活動が活発になってきているのは、業界パラダイムが大きく変化してきていることの証です。今まで、業界・団体といえば政治的なネゴシエーターで業界利益を代表して、内部を統制し政治的な部分への働きかけが中心でした。それが、90年代前半から企業の社会責任、貢献が議論されるにつれて、消費者、社会を意識しはじめました。
これからの業界・団体の任務は、社会や消費者に何かを啓蒙・普及するのではなく、社会に対して発言を増すことで、逆に、業界内部に、企業の社会責任や、社会参加の意識を普及・啓蒙させる役割を担っていくのでしょう。期待すべきです。
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