
成果主義とは、昇進・昇給の基準を「仕事の成果」に置く人事制度の考え方のひとつです。実年齢や勤続年数によって昇進・昇給が決まる年功主義と対比して用いられます。目標管理制度などを使って昇進・昇給の評価・判断をします。これまでの年功主義を排除し、年齢・職階に依らない思い切った処遇ができるようにし、労働者の意欲を向上させることを意図しています。
年功主義の下では、若く能力がある人ほど働くモチベーションが上がらず、経営側としても、仕事の成果に依らず、勤続年数が多いだけの人に多くの給与を支払うと無駄になります。成果主義では各個人が目標に向かって自主的に仕事ができるようにすることを狙います。成果を上げれば評価されるので、モチベーションもあがり、さらに意欲的になります。また成果を上げることによって会社へ貢献していることも実感できます。経営側も無駄なコストを払わなくてすみます。
短所としては、成果を上げるために個人プレーに走りがちになることがあげられます。直接成果に結びつかないことは無駄と捉えられ、他人と協働しないばかりか、他人の足を引っ張る場合もあります。また、はじめから目標を低く設定して、内容も複雑な仕事より単純・簡単な仕事を選ぶこともあります。このことは、人材育成・スキルアップ、業績に関して労使双方にとって不利益となります。逆に高い目標設定をしたために、精神的・肉体的に無理をして潰れてしまう場合や、無理やり達成するために不正を働くこともあります。また、そもそも労働者に職務能力がない場合や、職務内容が成果主義に合わない場合、人材配置を間違うとさらに大きな問題となります。
こうした短所の原因の多くは、成果の定義、評価基準が曖昧で、労使間や上司・部下双方で合意が取れていないことにあります。単純に結果だけなのか、プロセスも評価するのかしないのか、給与と評価をどこまで連動させるのか、といった問題です。また、成果の達成状況が、管理者の判断に依る部分が大きいので、管理者の評価能力も問われます。
1993年に大手企業の中では早期に成果主義を導入した富士通ですが、2001年3月に成果主義人事制度の見直しを決定しました。その理由は、社員が失敗を怖れ、挑戦を回避するという行動が出たこと、業績低迷、正当に評価されていないといった不満が社内で強くなり、戦略推進の大きな障害となってしまったためとしています。その他の大手企業でも、一度は成果主義を導入したが、運用に失敗して再度年功主義に戻す企業もあります。
成果主義を導入する場合は、成果を客観的な基準で定義し、その評価基準についても透明性の高いものにし、労使相互の十分なコンセンサスを取るようにするとともに、その制度がうまく機能しているのかを定期的に監視していくことがポイントとなります。
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