SRIとは、「Socially Responsible Investment」の頭文字をとった表現で、日本語では一般的に「社会的責任投資」と訳されます。経済的・財務的側面だけを投資の判断基準とするのではなく、社会的・環境的・倫理的側面も考慮した投資行動のことで、長期的な視点でみて社会的責任を果たしている企業ほど持続的な発展が見込める、という考え方が背景になっています。1920年代、米国の一部のキリスト教会がアルコール・タバコ・ギャンブル関連企業等を投資対象から除外したことが始まりとされており、宗教をベースとし教義に反する投資を排除する宗教的ファンドと、非宗教的ファンドの大きくふたつの分類があります。
SRIの主な投資行動には、1)スクリーニング、2)株主行動、3)コミュニティ投資、の三つがあります。1)スクリーニングとは、企業の社会的責任への対応を考慮して投資先を選定することで、投資先として好ましい企業を選ぶ「ポジティブスクリーニング」と好ましくない企業を選ぶ「ネガティブスクリーニング」のふたつの方法があります。2)株主行動とは、株式を保有している企業に対して議決権などの株主権を行使して社会的責任を果たすように企業に要求していくことです。3)コミュニティ投資とは、ある地域コミュニティの発展を目的とした開発に投資を行うことです。
日本のSRIの特長としては、環境を中心としたスクリーニングと個人投資家向け商品の多さがあげられます。99年に企業の環境への取組をスクリーニング基準にした「エコファンド」が登場して以来、SRI型投資信託の設定数は徐々に増加しつつありますが、SRIの資産規模が専門的投資運用資産の10%を超える米国や英国と比較すると、規模、伸びともに小さく、メインストリームとして普及していないのが現状です。CSRへの関心の高まりに伴い注目されるようになってきており、今後の成長が見込まれています。
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