
スイッチング・コストとは、現在使用している商品・サービスから他の商品・サービスに切り替える際に、追加的に支払うコストのことをいいます。スイッチング・コストが大きくなると、消費者は現在よりも優れたサービスがあってもなかなか切り替えようとはせず、当該サービスに留まろうとします。
このようにユーザーにとっては、商品を購入する動機が製品の持つ機能やサービスだけとは限らないことが多くあります。このため、企業側の視点で考えると、効果的なマーケティング戦略は下記のようになります。
自社製品の既ユーザーに対しては、別の製品に乗り換えられないようにすることが必要なのでスイッチング・コストをできるだけ高めておくことです。携帯電話の例で言うなら、退会時の費用を高くする、自社サービスを使えば使うほどお得になる価格設定をする、などです。
また、自社製品をまだ使っていないユーザーに対しては、自社製品への乗り換えを促すためにスイッチング・コストをできるだけ低くしておくことです。同じく携帯電話の例で言うなら、携帯電話の購入費用や新規加入者時の費用を安くする、同じ電話番号を使えるようにする、操作法を簡単にする、などです。
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