
クラウドとは、「クラウドコンピューティング」を略したものです。「cloud(クラウド)=雲」というように、インターネットをベースとしたコンピュータネットワークのイメージ図を「雲」のような図で表現することが多いため、それが由来となったとも言われています。
具体的には、従来はユーザー(企業、個人など)が自分のパソコンやスマートフォン、携帯電話のハードウェアに、ソフトウェアや作業データなどを保存・管理していました。それが、インターネットに接続できる環境さえあれば、自宅、会社、学校はもちろん、ネットカフェや交通機関での移動中など、さまざまな環境からでもデータを閲覧、編集、アップロードすることができます。
現在、有名なクラウドサービスは三つあります。
- SaaS(サース、Software as a Service 参照:マーケティング用語集 SaaS:Software as a Service)
インターネットを経由してソフトウェアパッケージを提供します。電子メール、グループウェア、CRMなどで、具体的なサービスとして、マイクロソフト「Microsoft Online Services」、Google「Google Apps」があげられます。 - PaaS(Platform as a Service)
インターネットを経由してアプリケーション実行用のプラットフォームを提供します。仮想化されたアプリケーションサーバやデータベースなどに、ユーザーが自分のアプリケーションを配置して運用できます。具体的なサービスとして、Google「Google App Engine」、マイクロソフト「Windows Azure」があげられます。 - IaaS(Infrastructure as a Service)またはHaaS(Hardware as a Service)
インターネットを経由してハードウェアやインフラを提供します。サーバ仮想化やデスクトップ仮想化、共有ディスクなどです。ユーザーが自分でOSなどを含めてシステム導入・構築できるもので、Amazon.com(参照:企業活動分析 アマゾン・ドット・コム・インク)「Amazon EC2」や「さくらのクラウド」などがあげられます。
この仕組みであれば、ユーザーが用意すべきものは最低限の接続環境(パソコンや携帯情報端末などと、その上で動くブラウザとインターネット接続環境など)を整備し、クラウドサービスの利用料金を支払うのみです。企業の場合、パソコン本体およびサーバなどネットワークの購入やその管理運営費用、蓄積されるデータ管理の手間が大幅に軽減されるメリットがあります。
一方で、多くのデメリットも抱えているのも事実です。ユーザー側からすると、その仕組みにおいてブラックボックスな点も多く、カスタマイズすることができません。そうなると、同じ環境にあった場合、サービス品質の差別化が難しくなります。また、提供企業側の突然の倒産やサービス終了という事態も発生しています。最後に、様々な業種の企業が参加するため、それが大規模になるほどハッカーの攻撃を受けて顧客情報や経営情報などが漏えいするリスクも大きくなります。
こうしたメリットとデメリットのせめぎ合いも含め、「雲のように」つかみどころがない=よくわからないことが多いことが、現状「クラウド」の普及にドライブがかからない理由といえるでしょう。
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