
グロースハッカーとは、製品やサービスのユーザーを獲得するための仕組みを作るエンジニアを指す。
サービスの成長を仕組み化するための施策であり、基本的概念としてコストをかけずに行うのが一般的である。
優秀なグロースハッカーは、豊富な広告費や予算がなくても、サービスのユーザー数やリテンション率を飛躍的に伸ばすことができる。グロースハッカーはスタートアップ企業だけでなく、すでにユーザーを多く抱えているエスタブリッシュメント企業からも支持されている。
まったく認知のないユーザーを、サイトに呼び込み、会員登録させて、また後日サイトに呼び込んで、他の友だちに紹介してもらったり、サービスや商品を購入してもらったりする流れを作り上げることだ。
グロースハック・グロースハッカーという言葉が最も注目を浴びたのが、Aaron Ginn(アーロン・ジン)氏が、2012年のアメリカの大統領選挙でロムニー候補の下、1億8,000万ドルもの献金を集めた施策である。成功要因は、献金画面にプログレスバー(今このくらい溜まっているということが視覚的に分かるゲージ)を設置したことと言われている。
これは施策の中の一部だが、様々な改善をデータに基づき行うことで、支持者の数を3倍以上にしたようだ。
ビジネスで成功したと言われるのが、Dropboxだ。1晩に7万人もの顧客を獲得したのである。Dropboxは既存のユーザーに目を向けた。彼らは、まるでウイルスのようにサービスを広めるキャンペーン方法を取った。
「世界で最もアクティブなシード投資ファンド」と言われている500 Startupsの創業者/CEOであるDave McClureが提唱したグロースハックのフレームワークに「AARRR(Acquisition、Activation、Retention、Referral、Revenue)」がある。
AARRRモデルを使用することで各段階ごとにKPIを設置し、分析・モニタリングを行えるので計画的な製品・サービスの成長戦略を立てることができる。それによってどの段階に課題が存在するのかが明確になり、最適な施策を打つことが可能になる。
AARRRモデル
- Acquisition:アクティブな新規ユーザーを獲得する
- Activation:新規ユーザーの早期離脱を防ぐ、継続利用してくれるユーザーを増やす
- Retention:ユーザーの継続利用を促進させる、休眠ユーザーを再訪させる
- Referral:継続利用しているユーザーが新規ユーザーを紹介・誘導してくれる
- Revenue:収益化を指し、ユーザーのコンバージョン、つまり継続利用ユーザーから課金ユーザーへの転換
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