消費の場は都市です。バブル期、東京を含む多くの都市は多様性を喪失しました。地価の上昇はさまざまな多様性を喪失させましたが、特に、東京においては、住宅地の地価を限りなく上昇させ、ビジネス地へと専用化させ、小規模経営の存立を不可能とし、分散配置計画による都市計画によって、都市の機能分散にさらに拍車をかけることになりました。その象徴が人口減少であり、特に夜間人口の激減です。多くの地方都市も同様な均一化が進みました。
地価の低下によって安価な住宅が提供されて、「住む」機能、「働く」機能、「消費(商業)」機能という生活者にとっての「職・住・商」三機能が特定地域において統合されてきました。日本橋・銀座、麻布・六本木、青山・渋谷、新宿などです。その結果都市の多様性が回復し人口再集中をもたらしています。
「職・住・商」近接による機能統合は、昼間人口と夜間人口を平準化させ、
あらゆる商業とビジネスの可能性を生み出します。人々の多様な時間帯での往来は、それを顧客としてねらう新しいビジネスを生み、小規模での存立を可能にします。この多様性が、人々に新しい就業機会を与え、選択の自由を拡大し、新しい便利さを提供します。その結果多様なライフスタイルが生まれ、「住・職・商」など機能のさらなる多様化を生み出します。
都市多様性とは、「人が人を呼ぶシステム」であり、「ニーズがニーズを生む」ことです。新たな都市多様性を生むためにも、企業の都市型市場への再マーケティグ投資が必要です。(MNEXT「外部性と日本経済の情況-長期不況への戦略的対応」より)
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
消費者調査データ レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア
調査結果を見ると、「咖喱屋カレー」が、再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。店頭接触、購入経験で2位に10ポイント以上の差をつけ、3ヶ月内購入では2位の「ボンカレーゴールド」のほぼ2倍の購入率となった。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場 背景にある簡便化志向や節約志向
どんな人がパンを食べているのか調べてみた。主食として1年内に食べた頻度をみると、食事パンは週5回以上食べた人が2割で、特に女性50・60代は3割前後と高かった。パン類全体でみると、朝食で食事パンを食べた人は女性を中心に高く、特に女性50代は6割以上であった。
成長市場を探せ コロナ禍の落ち込みから再成長する惣菜食市場
コロナ禍で打撃を受けた市場のひとつに惣菜市場がある。特に外出自粛の影響を受けた百貨店の惣菜などが落ち込んだ。しかし、翌21年には早くも持ち直し、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。