消費経済レビュー Vol.11 |
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動的に変化する関係構造の分析についての研究 | |
関係構造が動的に変化するケースは世の中で多く観測される。 例えば、われわれの社会は、ひととひととの関係によって成立している。このような関係は、非常に多くのひとに対して関係をもつハブとなるひとがいるなど、何らかの構造を背景にもっている。 ただし、こうした構造は急に成立したものではなく、時間の経過の中で徐々に形成されたものである。例えば、ソーシャルネットワークサービにおいて友人数(リンク数)が多いひとも、はじめから友人数が多いわけではない。さらに、一度形成された構造もある時期は不変であるかもしれないが、この構造自体も時間の経過とともに変化していく。 そこで、こうした世の中の構造をもったデータに対して、ある対象の属性のみならず、さらに時間情報を付加することで、動的な構造の変化を記述させたデータの分析について展望する。 はじめに動的に変化するネットワークの分析ということに着目して、関係データを扱うデータ分析について記し、その後に動的なネットワークの分析方法について記述した。前者の関係を扱うデータの分析においては、関係を扱う様々なデータについて概説し、それぞれのデータの形式からどのようなデータ分析方法が可能かをまとめた。これをふまえて、時間という観点を取り入れて、動的に変化する関係構造を持ったデータの分析手法についていくつかのアプローチを説明した。最後にその応用の可能性として、例えばレコメンデーションシステムや、クチコミなどの分析に使用できるのではないかという可能性を述べた。 動的に変化する関係構造については、これまではそもそもそうしたデータの入手が困難であったために、分析の必要性も少なかった。しかし、現在ではインターネットの普及のみならず、センサーデータの普及などとともあいまって、非常に膨大でかつ複雑なデータが存在している。これを受けて、これまでのデータ分析の方法では困難であった関係性の扱いや、複数のデータベースを同時に扱うという分析手法の開発がなされるようになってきた。このような手法は、様々なデータの分析に向けて今後有用になってくると思われる。 (2009.04)
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