はじめに
日本経済では、緩やかながらも息長く景気回復の動きが続いております。今夏の異常気象により消費は一旦不振に見舞われましたが、その後は持ち直し、悪影響は一時的なもので済んでいるようです。
国内外の政治情勢は地政学的リスクに翻弄され続けていますが、経済情勢は、比較的落ち着きをみせております。株価はバブル崩壊後の最高値を更新する一方、長期金利はゼロ近傍での推移が続いています。為替も、円安基調での推移が見込まれます。
今後の日本経済の見通しとして、2017年度から2018年度にかけては、内外需好転により景気が全面回復していくシナリオから、内外需が低迷し景気停滞が顕在化していくシナリオへと反転していく、との見方が主流のようです。ただ、設備投資に対する見方は強弱相半ばしており、予想以上の好転がみられれば、全面的な景気の低迷・失速は回避できそうです。
今号の概要は以下のとおりです。
「2018年の消費の展望-外需と雇用・収入環境の良好さを追い風に底堅さを保つ消費」では、前号が発刊された2017年4月以降の経済情勢を整理し、好調な外需や改善が続く雇用・収入環境など、消費を取り巻く環境に追い風が吹き続ける中で、底堅い推移を続ける消費の現状と今後を概観します。
「生活重視点及び支出先重視項目にみる消費倫理-支出行動への影響力」では、カテゴリー間での消費回復の格差を生み出している要因として、カテゴリー支出行動に対する生活重視点や支出先重視項目の影響力の大きさを明らかにするとともに、その要因連関の起点となっている生活重視点の属性差を踏まえて、加齢や世代交代、ライフステージ変更などが生活重視点の変化に及ぼす影響を検討します。
「旅行関連消費の堅調さ」では、旅行者数が伸び続けていることや、旅行支出が増え続けていることなどを踏まえて、現在、旅行関連消費が盛り上がりをみせる背景要因を明らかにするとともに、今後の旅行支出意欲に関する展望を示します。
「ワークライフバランスと余暇行動」では、実態と意識の両面で余暇重視へとシフトしつつある中で、ワークスタイルの違いによる、仕事と余暇に対する態度や選好される余暇行動の違いを明らかにしつつ、今後のワークライフバランスと余暇行動の行方を展望します。
2018年新春、日本経済の底流で生起しつつある変化の予兆を捉えて、一歩先を見据えた戦略的判断と行動の一助となることを企図して、「消費経済レビュー」第29号を実務家のみなさまにお届けいたします。
構成
2018年の消費の展望―外需と雇用環境の改善を追い風に底堅い消費- 消費の現状を概観する
- 消費を動かす背景要因
- 今後の消費の行方を占う
- まだら模様の消費回復
- 消費回復の分野間格差の要因
- 生活重視点並びに支出先重視項目の規定要因
- 結語
- 消費者の旅行動向―伸びる旅行者数と増える旅行支出
- 旅行実施行動盛り上がりの背景
- 消費者における今後の旅行支出意欲―総じて旅行支出意欲の高さは持続
- 変わるワークライフバランス
- 生活での疲れを癒やす余暇行動
- ワークライフバランスの行方と余暇行動の関わり
- 結語
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