半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2020年01月15日

(2020.01)
「消費社会白書2020」特別コンテンツ
すすむ食品チャネルのせめぎ合い
取締役 大場美子



 継続的に生活者が買い物に利用する業態(チャネル)についても、「消費者社会白書2020」では調べている。生活者全体で自宅から30分以内に利用できるチャネルの上位は、食品スーパー78%、コンビニエンスストア(以下CVS)71%、ドラッグストア64%の順である。この上位三つをいずれも利用できるという率は56%と過半数をカバーしていた。歴史的に先行して立地している食品スーパーに加えて、CVSやドラッグストアの全国的な出店が進んでいる。結果として、日常的に利用できるチャネルが揃ってきて、業態間の競争が激化していることがわかった。





 実際に週に1回以上利用している業態別をみてみると、食品スーパーが62%と最大であり、CVS、大型総合スーパー、ドラッグストア、ネットが続く。これを居住地域、都市規模などの地域特性と、ライフステージなどの生活者属性別に比べてみると、五つのチャネルのどれもが、ライフステージなどの生活者属性による利用率の差の方が大きくなっていた。同時にチャネル別に利用顧客層が異なることもわかってきた。

 次に上位チャネルの競争関係をみてみよう。生鮮食品、加工食品、調理食品、飲料などのカテゴリー別にチャネル毎の利用率をみると、いずれも食品スーパーがトップと強さを発揮している。

 だが、飲料では食品スーパーに次いでCVS、ドラッグストアの購入率が上がってきている。この3業態が利用可能な層に絞って、性別・ライフステージ別にみてみると、男子中高・大学生層ではCVSが食品スーパーを大きく上回り、飲料のメインチャネルになっていることがわかった。

 これらの事実は、個別の商圏内で、チャネル・個店毎に、生活者の属性をどのように捉えて(セグメンテーション)、どの層に焦点をあて(ターゲティング)、品揃え等を含めてどのように対応していくかを明確にすることが、非常に重要になることを示唆している。



より詳細なファインディングは「消費社会白書2020」をご覧ください

書籍イメージ
消費社会白書2020
見えてきた21世紀の消費-中流家庭から「豊潤生活」への転換

  • 発刊以来17年間の知見とデータから「今」を鋭く分析し、「半歩先」を提案
  • オリジナルの時系列調査から現在の消費者の実像に迫る
  • 中長期だけでなく、短期のマーケティング戦略を構築するための基本データが満載



「消費社会白書2020」特別コンテンツ


「ネクスト戦略ワークショップ」講演録


参照コンテンツ


おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


新着記事

2025.03.07

消費者調査データ RTD(2025年3月版) 「氷結」、「ほろよい」の競り合い続く アサヒの新顔は高いリピート意向

2025.03.06

25年1月は「完全失業率」は横ばい、「有効求人倍率」は改善

2025.03.05

25年2月の「乗用車販売台数」は2ヶ月連続のプラス

2025.03.04

関税政策に日本企業はどう対応すべきか

2025.03.04

25年1月の「新設住宅着工戸数」は9ヶ月連続のマイナス

2025.03.03

企業活動分析 NECの24年3月期は国内がけん引し増収増益

2025.02.28

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 清貧・ゆとり世代が消費を牽引!賞与の使い道は?

 

2025.02.28

消費からみた景気指標 24年12月は7項目が改善

2025.02.28

25年1月の「ファミリーレストラン売上高」は35ヶ月連続プラス

 

2025.02.28

25年1月の「ファーストフード売上高」は47ヶ月連続のプラスに

2025.02.27

MNEXT 情況の戦略判断シリーズ トランプを揺るがすネット世論 - 正体は「ルサンチマン」

  

2025.02.27

減税政策は人気とりのバラマキ政策か

2025.02.27

月例消費レポート 2025年2月号 消費は改善の動きが続いている - 物価や金利の上昇ペース次第で消費回復のブレーキとなるおそれも

2025.02.26

25年1月の「全国百貨店売上高」は3ヶ月連続のプラスに

  

2025.02.26

25年1月の「チェーンストア売上高」は既存店で3ヶ月連続のプラスに

2025.02.26

25年1月の「コンビニエンスストア売上高」は2ヶ月ぶりのプラスに

2025.02.25

企業活動分析 ヤマダHDの24年3月期は主力のデンキセグメント不振で3期連続の減収減益へ

2025.02.21

消費者調査データ スナック菓子(2025年2月版) 経験率7割超、カルビー「ポテトチップス」の人気揺るがず

2025.02.21

24年12月の「旅行業者取扱高」は19年比で79%に

2025.02.20

24年12月の「商業動態統計調査」は9ヶ月連続のプラス

2025.02.19

月例消費レポート 2025年1月号 消費は改善の動きがみられる - 国内外からの物価上昇リスクが消費回復を妨げるおそれも

2025.02.18

25年1月の「景気の先行き判断」は5ヶ月連続の50ポイント割れに

2025.02.18

25年1月の「景気の現状判断」は11ヶ月連続で50ポイント割れに

週間アクセスランキング

1位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

2位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

3位 2024.06.21

消費者調査データ ビール系飲料(2024年6月版) 首位「スーパードライ」、キリンの新ビール「晴れ風」にも注目

4位 2025.02.27

減税政策は人気とりのバラマキ政策か

5位 2013.03.22

MNEXT ビックカメラによるコジマの買収はメーカーを巻き込んだ衰退業界再編の始まり

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area