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公開日:2022年11月10日

消費社会白書2023
感情社会の生活イノベーション

巻頭言

感情社会の生活イノベーションーマーケティングが歴史をつくる
発行:2022年11月
定価:11,000円(税込)

 現代社会とは、人々が過剰で複雑なデジタル社会を乗り切るために、理性よりも早い意志決定をするための感情社会です。感情は早い判断をもたらしますが、現実以上に将来を悲観視することもあります。江戸から明治へ、戦中から戦後、成長から成熟、成熟から衰退などの大きな歴史の転換期にみられる、昭和的なものの破壊と新しい時代の「夜明け」が交錯します。従って、一寸先は闇の世界です。見通しのない将来です。

 一方、先は見えなくても暮らしは続き、生活イノベーションが起こっています。値上げ、コロナ禍、マウンティング消費、値引き競争などに対応して、こころと宅内での生活はインナーレジャー化が進んでいます。これまでの一汁三菜では捉えられないほど様々に工夫される内食、新しい家電、急激に普及した動画配信サービスなどが連鎖し、新しい価値を持つ生活イノベーションが起こっています。

 「創造立国の時代」ととらえてみました。消費者が求めるものは、価値の創造と増加です。企業が果たすべき時代使命は価値創造であり、暮らし方なのです。価値増加には、マーケティング革新を通じた企業革新が必要であり、目指すべきは価値成長企業です。価値提供ができれば、収益性は結果としてついてきます。マーケティングで新しい時代づくりにのぞみましょう。

2022年11月
代表取締役社長  松田 久一




消費社会白書2023 構成

感情社会の生活イノベーション

第1章 進む階層化、拡がる保守の空気
  1. 【1】台頭する「感情保守」
  2. 【2】拡がる階層格差と分断社会の到来
  3. 【3】階層化が強める「感情保守」
  4. 【4】「感情保守」を主導する上流クラスター
  5. 【5】今後の価値観の行方

第2章 世代で異なる仕事と交際ネットワーク
  1. 【1】世代で変わる仕事
  2. 【2】コロナ禍で狭小化する交際ネットワーク

第3章 階層化が主導する消費回復と値上げリスク
  1. 【1】回復途上にある消費
  2. 【2】階層化がもたらす消費の変化
  3. 【3】値上げによる消費減退の可能性

第4章 食生活の充実へ高まる期待と食卓のいま
  1. 【1】内食中心が続く夕食
  2. 【2】価値観に影響される内食
  3. 【3】調理スキルで異なる夕食スタイル
  4. 【4】食の経済効率化

第5章 負担軽減に向けて模索される家事スタイル
  1. 【1】女性既婚層が中心の家事
  2. 【2】3つの家事意識と家事の「シン・家電」化
  3. 【3】家事の分担と外部化

第6章 拡がる余暇のソロ化と「インナーレジャー」
  1. 【1】余暇の拡がり
  2. 【2】主流となった1人で過ごす余暇
  3. 【3】存在感を高める「インナーレジャー」

第7章 感情に支配されるブランド選択
  1. 【1】強いブランド意識
  2. 【2】注目カテゴリーのブランド認知
  3. 【3】注目カテゴリーの共通認知課題
  4. 【4】購入への集約プロセス
  5. 【5】購入による保有効果
  6. 【6】3カテゴリーにみる感情によるブランド選択

第8章 収入格差が生むチャネルのすみ分けと新チャネル期待
  1. 【1】変わるチャネル選択
  2. 【2】チャネル選択の背後にある買物意識
  3. 【3】チャネルへの期待

補遺
  1. 【1】調査設計
  2. 【2】対象者プロフィール
  3. 【3】世代区分
  4. 【4】食品チャネルへの期待の因子分析結果
  5. 図表索引

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