キユーピーの2022年11月期連結決算は、売上高4,303億円(前年比5.7%増)、営業利益254億円(同9.2%減)と増収減益となった。売上高は海外での売上伸長に加え、業務用での外食需要減少影響が前会計年度より回復したことにより増収となった。営業利益は、売上増加や価格改定効果があったものの主原料およびエネルギー・一般原資材の高騰影響や販売費及び一般管理費の増加により減益となった。2019年にグループの長期ビジョン「キユーピーグループ 2030ビジョン」を策定、第1段階として19年度より3年間の中期経営計画を開始したものの、20年度は主原料の高騰影響、コロナの影響により、過去に例を見ない大幅な減益に。消費者の買い物行動が変化するなか、企業体質の転換を図るべく中期経営計画を2年で終了。21年度より新たに4年間の中期経営計画を開始し、「商品」軸から「市場」を軸とする体制に移行、事業区分も変更した。事業別では、市販用事業は調味料の価格改定効果や惣菜が堅調に推移し増収したものの主原料高騰等による影響を受け減益となった。業務用事業はコロナによる外食需要が回復し増収、主原料高騰などによる影響を受けたものの価格改定効果や付加価値品の伸長により増益となった。海外事業は東南アジアや北米が好調に推移し増収、中国(上海)のロックダウンや主原料高騰による影響を受けたものの増益となった。今後は中国・東南アジア・北米を中心に海外を成長ドライバーとして展開の拡大を進め、国内ではモノ視点から市場を軸としたお客様視点に転換し多様化するニーズに対応する。経営指標ではROE、営業利益率、海外売上高伸長率にこだわり、事業収益性の向上と資本効率性の向上の両輪で中期経営計画を推進していく。
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