東洋水産の2022年3月期の連結決算は、売上高3,615億円(前年比6.1%増)、営業利益297億円(同18.4%減)と、増収減益であった。海外即席麺事業、加工食品、冷蔵が過去最高売上を更新し、増収となった一方、国内外での原材料費、物流費などのコストアップを吸収できず、減益となった。セグメント別にみると、売上高の26%を占める国内即席麺事業では、カップ麺は和風シリーズが前年並みだったことに加え、「MARUCHANQTTA」シリーズ、「麺づくり」シリーズ、「ごつ盛り」シリーズといった主力商品が好調に推移し、増収。袋麺は発売10周年を迎えた「マルちゃん正麺」シリーズを中心に拡売に努めたものの減収となった。売上高の32%を占める海外即席麺事業については、コロナ前と比較して需要が増す中、米国およびメキシコにおいて、袋麺、カップ麺ともに好調に推移したことで増収。低温食品事業では、外出自粛等の影響で業務用商品の販売が引き続き縮小傾向となり、生麺では内食需要が継続する中、主力商品を中心に拡売に努めたものの減収となった。2022年5月には2019-2021年度 3ヵ年中期経営計画の成果と課題を踏まえ、創業100年を見据えた新中期経営計画を策定。「将来の成長に向けた礎を築く3年間」と位置づけ、「飽くなき進化」をテーマに部門の垣根を越えた取り組みを行う方針だ。初年度となる2022年度については、最高売上更新の計画を実行するほか、コストアップを新規設備の稼働効果と主力事業の価格改定で吸収したい考え。売上高は4,050億円、営業利益は365億円を見込む。
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