森永製菓の2023年3月期の連結決算は、売上高1,944億円(前年同期比7.2%増)、営業利益152億円(同13.9%減)と増収減益であった。売上高は、重点領域のin事業・米国事業の好調継続が牽引し、2期連続で過去最高を更新した。営業利益は、増収効果や価格改定効果があったものの、原材料及びエネルギーコスト高騰の影響や中長期の成長に向けた戦略的な広告投資により減益となった。売上の95%を占める食料品製造について事業別にみると、国内は、「inゼリー」を中心としたin事業や、「森永ビスケット」「ハイチュウ」が好調に推移し、菓子食品事業を中心に全事業が増収となったが、菓子食品事業や冷菓事業の減益が影響し、減益となった。海外は、米国事業の売上拡大が継続し増収、損益は成長投資を行いつつ、コスト増を吸収し増益となった 。食品業界においては食の安全・安心の徹底や、ライフスタイルの変化で簡便性や健康ニーズが高まる中、購買行動の変化をとらえた付加価値の高い商品作りが求められ、競争環境は厳しさを増している。このような経営環境のもと、2030年に向けた長期経営計画「2030経営計画」達成に向けた1stステージである「2021中期経営計画」の2期目として、引き続き飛躍に向けた新たな基盤づくりを実現すべく、事業活動に取り組んできた。2030年に『ウェルネスカンパニーへ生まれ変わる』:ことを目指し、2024年3月期は、in事業・通販事業・米国事業・冷菓事業の重点領域の成長、菓子食品事業やウェルネスを中心とした基盤領域の収益力向上、機能部門の構造改革、経営基盤の構築などにより、売上高2,040億円、営業利益173億円を見込む。
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