日本ハムの2024年3月期の連結決算は、売上高1兆3,034億円(前年同期比3.5%増)、事業利益449億円(同75.6%増)、税引き前当期純利益406億円(同83.2%増)と、増収増益となった。主力の食肉事業本部は、売上高7,806億円(同4.1%増)、事業利益340億円(同17.0%増)と増収増益となった。売上高は、量販店向け国産鶏肉・豚肉販売、外食向けはインバウンド需要で牛肉販売が伸長、加えて、上期の国産鶏肉の相場高により価格転嫁が浸透した。事業利益は、輸入食肉において冷凍を中心に在庫適正化により大きく利益が改善、国産鶏肉・豚肉の販売好調で利益を確保。フード4社は過去最高益を達成した。加工事業本部は、売上高4,312億円(同3.2%増)、事業利益97億円(同93.9%増)と増収大幅増益となった。売上高は、乳製品・エキス・一次加工品の価格改定が浸透し、特に 一次加工品はCVS向け・デリカ向けの売上が伸長、シャウエッセンのブランディング強化、 デリ商品の業務用が外食需要の回復により伸長した。事業利益は、商品ミックスの改善、業務用や乳製品・エキス・一次加工品販売が伸長し大幅伸長、原材料価格の上昇を価格改定でカバーしたことに加え、 工場の内部改善も進み収益性が改善した。海外事業本部は、売上高2,900億円(同9.8%減)、事業利益25億円(前年は50億円の赤字)と減収ながら黒字転換した。ウルグアイの牛肉事業会社の株式譲渡、水産事業譲渡、 豪州産牛肉販売単価の下落により減収となったが、豪州の牛肉事業の原価低減、トルコの鶏肉事業の価格転嫁浸透により黒字化した。北海道ボールパークがオープンしたその他事業は、売上高239億円(同40.0%増)、事業利益19億円(前年は5億円の赤字)となった。新球場で、試合がない日も「毎日オープンしているボールパーク」を展開したことで、全国から多数の来場があり目標を超過。広告収入、チケット収入、飲食収入等が前年を上回った。2024年5月に発表した「中期経営計画2026」では、将来の成長に向け本質的な課題を明確にし、ビジネスモデルの変革に取り組むことをテーマに、継続的な収益力の強化により過去最高益を更新するとともに、資本効率の向上を目指す。
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