日清食品ホールディングスの2024年3月期の連結決算は、売上収益7,329億円(前期比9.5%増)、営業利益734億円(同31.9%増)と、ここ数年グローバルに実施してきた価格改定効果が浸透したことを主因に売上収益が7,000億円を突破、営業利益は2021年5月に公表した中長期成長戦略で提示した「Mid-single Digitでの持続的な利益成長」を大きく上回り、過去最高益を更新した。セグメント別にみると、国内即席めん・国内非即席めん・海外の3事業すべてが増収となった。国内即席めん事業は前期⽐プラス150億円、プラス5.7%の増収。昨年6月に2年連続となる価格改定を実施したが、数量を前期比微減に留め、堅調に推移し、価格コンシャス商品から レギュラー商品へのシフトを狙い、新商品や拡販費の投入といった施策を 戦略的に⾏ったことで、数量は概ね前年並みに回帰した。国内非即席めん事業は、前期比プラス195億円、プラス12.1%の増収。引き続き、ピルクルミラクルケアが好調だった日清ヨークと、主力商品を中⼼に数量・金額ともに好調が継続した湖池屋が増収に大きく寄与 した。海外事業は、前期比プラス278億円、プラス11.5%の増収。マクロ経済環境が逆風にある中国のみ減収だが、貢献の大きい米州地域に加え、EMEA、アジア地域も伸長した。現在、「中長期成長戦略2030」に基づき、ビジョン「EARTH FOOD CREATOR(食文化創造集団)」の実現と持続的成長に向けて取り組んでいるが、2023年度の業績は2030年の利益目標を3年前倒しで達成。経営の方向性についても、足元の実績を踏まえ、さらなる成長を目指す。
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参照コンテンツ
- 戦略ケース 日清食品 ロシア市場進出(2009年)
- 戦略ケース 「日清食品」 × 「東洋水産」 宣伝と営業が支えるロングセラー(2007年)
- 戦略ケース 日清食品株式会社-商品の定番化がブランド育成の基本(1991年)
- 消費者調査データ カップめん(2018年7月版)
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