昭和シェル石油の2016年12月期の連結決算は売上高1兆7,261億円(前年同期比20.7%減)、営業利益464億円(同586億円増)と減収増益となった。年間を通じて為替レートや原油価格が大きく変動し不安定な状況が続くなど、厳しい事業環境の中、2014年に計画を前倒しで達成した構造的コスト競争力改善活動を推進したことで、2016年の年間計画を達成。安定した利益確保に貢献し、減収ながらも3期ぶりの最終黒字となった。在庫評価の影響を除いたCCSベースの営業利益では2015年度426億円、2016年度も352億円を確保、石油事業のCCS営業利益は安定した四半期推移、エネルギー ソリューション事業の営業利益は前期比で増益となった。石油事業では、主要4油種国内販売数量は製品・サービスの差別化戦略を継続的に推進することで前年を上回ったが、製品輸出が2製油所での大規模な定期修理の影響で減少したことで、減収となった。一方、調達先の多様化を進め、製油所全体の最適生産、収益最大化に努めた結果、安定的な収益を確保した。エネルギーソリューション事業については、太陽電池事業で円高影響も含めパネル販売単価が想定以上に下落し営業損失を計上、電力事業で自社新規発電所稼働による事業規模拡大および、安定的かつ効率的な発電所運営、継続 的な販売ポートフォリオ改善により、前期比で増益となった。今後は、2015年に基本合意したものの明確な統合時期が見通せない出光興産との経営統合を目指しつつ、将来に向けた成長戦略の検討を進めていく。
企業活動分析レポートのダウンロード
- バックナンバー
企業活動分析に関する基調論文
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。