半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2024年09月06日

戦略200+・企業活動分析
エスティローダー(Estee Lauder)
23年6月期は、トラベルリテールの不調やドル高、インフレなどが響き減収減益に
2023年6月期決算の総括

エスティローダーカンパニーの2023年度の売上高は159.1億ドル(前年比10.3%減)、営業利益15億ドル(同52.4%減)と減収減益であった。COVID-19のパンデミックの悪影響により引き続き経営環境は厳しい状況にあり、とくにアジアのトラベルリテールのスキンケア分野における不振が業績を圧迫、北米も引き続き低迷した。世界的なドル高、インフレ、景気後退も売上減少につながった。カテゴリー別にはスキンケアの売上高82億ドル(前年比17.0%減)、営業利益12億ドル(同56.3%減)、メーキャップ売上高45億ドル(前年比3.2%減)、営業利益-0.2億ドルの赤字、フレグランス売上高25億ドル(前年比0.2%増)、営業利益4.4億ドル(前年比3.5%減)、ヘアケア売上高6.5億ドル(前年比3.5%増)、営業利益-0.3億ドルの赤字であった。スキンケアにおける主力のエスティローダー、ラメール、ドクタージャルトのトラベルリテールにおける不振が全体の業績を押し下げた。フレグランスは、トムフォード、エスティローダー、ル ラボがけん引し売上増加した。地域別にはアメリカの売上45.1億ドル(前年比2.3%減)、欧州・中東・アフリカの売上62.2億ドル(同19%減)、アジア・パシフィック51.9億ドル(同4.5%減)となった。
2020年8月に発表したポストコロナ・ビジネス・アクセラレーション・プログラム(PCBA)における、北米、欧州、中東、アフリカに焦点をあてた独立店舗及び一部百貨店の閉鎖、オンラインへの移行の加速、販売スタッフのリストラなどの再生計画は2023年度までに実質完了、2024年には本来のブランド力をいかし成長軌道に戻り、とくに北米での成長、新興国における成長を加速させ、利益率も回復する見込みとしている。2024年に入り中国における売上減少で圧迫された収益構造立て直しに向けて、全世界でさらに従業員の3~5%を削減を発表、2025年からの売上の成長と利益再構築計画実現に向けた準備を進めている。


企業活動分析/戦略分析シートのご利用には有料の会員登録が必要です。
本コンテンツでは、企業の戦略や活動を当社独自のフレームに沿って時系列で整理しています。
各企業の決算情報やニュースリリースをチェックする手間をかけることなく、戦略や事業環境を素早く把握できます。競合比較や業界分析などに幅広くご活用ください。

現在、企業活動分析/戦略分析シートのサンプルを無料公開しています。無料会員への登録でダウンロードできますので、ぜひお試しください。

企業活動分析レポートのダウンロード


バックナンバー
戦略200+・企業活動分析 レポートイメージ
戦略200+・企業活動分析 レポートイメージ


企業活動分析に関する基調論文


競合他社の業績と比較分析する


おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


新着記事

2024.11.20

24年9月の「旅行業者取扱高」は19年比で75%に

2024.11.19

24年10月の「景気の先行き判断」は2ヶ月連続の50ポイント割れに

2024.11.19

24年10月の「景気の現状判断」は8ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.11.18

企業活動分析 アルファベット(グーグル)の23年12月期は、グーグルサービスがけん引し売上過去最高を更新

2024.11.18

企業活動分析 アマゾンの23年12月期はAWSがけん引し営業利益前年比3倍へ

2024.11.15

24年9月の「現金給与総額」は33ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.11.14

24年9月の「消費支出」は5ヶ月連続のマイナスに

2024.11.14

24年9月の「家計収入」は5ヶ月ぶりのマイナス

2024.11.13

24年9月は「完全失業率」、「有効求人倍率」とも改善

2024.11.12

企業活動分析 ローソンの23年2月期は、「地域密着×個客・個店主義」徹底し増収増益

2024.11.12

企業活動分析 セブン&アイHDの24年2月期は海外事業の影響で減収も過去最高益を更新

2024.11.11

24年10月の「乗用車販売台数」は2ヶ月連続のプラス

2024.11.08

消費者調査データ No.416 レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア

2024.11.07

企業活動分析 楽天グループの23年12月期は27期連続増収も、モバイルへの投資で4期連続の赤字

2024.11.07

24年9月の「新設住宅着工戸数」は5ヶ月連続のマイナス

2024.11.06

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場  背景にある簡便化志向や節約志向

2024.11.05

企業活動分析 ファンケルの24年3月期算は国内売上がけん引し、3期ぶりの増収増益へ

2024.11.05

企業活動分析 コーセーの23年12月期は、国内好調も中国事業低迷で増収減益に

2024.11.01

成長市場を探せ コロナ禍の落ち込みから再成長する惣菜食市場(2024年)

2024.10.31

月例消費レポート 2024年10月号 消費は緩やかな改善が続いている-政治が消費回復のリスクに

2024.10.31

消費からみた景気指標 24年8月は6項目が改善

週間アクセスランキング

1位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

2位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

3位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

4位 2024.02.02

成長市場を探せ コロナ禍乗り越え再び拡大するチョコレート市場(2024年)

5位 2021.05.25

MNEXT 眼のつけどころ プロ・マーケティングの組み立て方 都心高級ホテル競争 「アマン」VS.「リッツ」(1)

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area