アップルの2023年9月期の連結決算は売上高3,833億ドル(前年比2.8%減)、営業利益1,194億ドル(同4.3%減)と、減収減益となった。サービス事業が過去最高の売上高852億ドル、前年比9.1%と伸長したものの、全体の8割弱を占めるiPhoneやMac、iPadなどの製品事業が前年比5.7%減となったため、減収となった。製品は「Mac」が前年比26.9%減となったほか、「iPhone」 「iPad」「ウェアラブル」も2-3%減と振るわなかった。地域別売上高では、中華圏や日本を除いた他アジアパシフィックが唯一前年をわずかに超える増収となったが、ヨーロッパ、アメリカ、中華圏、日本は軒並み減収。営業利益は他アジアパシフィックとヨーロッパが増益となったほかは減益となり、全体でも減益となった。アップルはスマホ市場が減速し始めた2019年にiPone11で初のProモデルを市場に投入し、ベースモデルよりも先進的なカメラシステムと優れたディスプレイを提供。高価なProモデルは、iPhone SEやiPhone miniといった低価格帯モデルよりも高い人気を博し、iPhoneの利益率を伸ばしてきた。2024年以降も引き続きiPhoneの高価格帯モデルに注力していく。またiPhoneの次の収益源として成長を続けているサービス事業についても、Apple製品のアクティブデバイス数20億台という規模を生かし、 エコシステムによるサービス事業の拡大を図り、収益を強化していく。
企業活動分析/戦略分析シートのご利用には有料の会員登録が必要です。
本コンテンツでは、企業の戦略や活動を当社独自のフレームに沿って時系列で整理しています。
各企業の決算情報やニュースリリースをチェックする手間をかけることなく、戦略や事業環境を素早く把握できます。競合比較や業界分析などに幅広くご活用ください。
現在、企業活動分析/戦略分析シートのサンプルを無料公開しています。無料会員への登録でダウンロードできますので、ぜひお試しください。
企業活動分析レポートのダウンロード
- バックナンバー
企業活動分析に関する基調論文
参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ 世界情報寡占企業からデータ提供代が貰える日―「グーグル後の生活」と等価交換(2018年)
- MNEXT 眼のつけどころ 高収益な市場プラットフォーム事業をどう創出するか?MSP事業創出作法(2018年)
- MNEXT 眼のつけどころ (1)GAFA、増税、キャッシュレスなどへの対応(2019年)
- 戦略ケース 「iPhone 3G」発売で大転換期を迎える日本の携帯端末市場 (2008年)
- 戦略ケース iPhone発売で、日本の携帯端末市場はどう変わる? (2008年)
- 戦略ケース 北米スマートフォン市場No.1はiPhoneに勝てるか? (2008年)
- 戦略ケース 音楽の次は動画?-アップルの次の一手に高まる期待感 (2005年)
- 戦略ケース ついに来るか?ビデオiPodによるPSP潰し (2005年)
- 戦略ケース SONYが復活する日-みえない資産の融合なるか (2005年)
- マーケティング用語集 5G(第5世代移動通信システム)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。