カシオの2024年3月期連結決算は、売上高2,688億円(前年同期比1.9%増)、営業利益142億円(同21.2%減) と増収減益となった。事業の売上高は、時計が1,670億円、コンシューマが845億円、システムが126億円、その他が97億円。 時計は、中国市場の回復が想定よりも低調であったことに加え、北米の実店舗減少の影響も見られたが、全体としては緩やかな回復傾向にあり、増収減益。コンシューマ事業は、微増収大幅減益。とくにEdTechは、電子辞書が低調に推移したものの、関数電卓はコロナ後の教育現場の正常化が進み、増収。サウンドは、新型コロナウイルス感染症のパンデミック時の巣ごもり需要の反動による需要の落ち込みが続き、またインフレの影響により、エントリーモデルを中心に市場の減速傾向が継続し、減収。 システムは、事業の見直しを進める過程で、減収、赤字が続く。2025年度に向けた中期経営計画では、3か年の前半を「収益基盤強化期」と位置付け、不採算領域の抜本的な構造改革、 成長領域(時計・EdTech・サウンド)への戦略投資により、事業構造の立て直しに取り組む。2024年下期からは「変革・イノベーション創造期」と位置づけ、中期の事業成長に向けた成長投資を通じ、事業ポートフォリオの改革を目指す。
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