任天堂の2023年3月期の連結決算は、売上高1兆6,017億円(前年同期比5.5%減)、営業利益5,044億円(同14.9%減)と減収減益であった。為替レートが円安に推移したものの、主にハードウェアおよびソフトウェアの販売数が減少したことから売上高が減少。ハードウェアのうち利益率の低いNintendo Switch(有機ELモデル)の販売割合が高くなったことや、部材コストの高騰に加え、輸送費、研究開発費などの販管費の増加により減益。ハードウェアに関しては、半導体部品等の供給不足の影響や、年末商戦で前期ほどの販売の伸びが見られず、販売台数は前年同期比22.1%減の1,797万台となった。ソフトウェアは安定した販売状況が続いたものの、ハードウェアの販売減の影響を一部受け、販売本数は前年同期比9.0%減の2億1,396万本となった。ゲーム専用機におけるデジタルビジネスでは、円安による為替の影響に加え、Nintendo Switchのパッケージ併売ダウンロードソフトやNintendo Switch Onlineの売上増加などにより、デジタル売上高は4,052億円(前年同期比12.7%増)となった。モバイル・IP関連収入等については、ロイヤリティ収入は増加したが、スマートデバイス向け課金収入が減少したことで、売上高は510億円(前年同期比4.3%減)となった。引き続き「任天堂IPに触れる人口の拡大」を基本戦略とし、時代に合わせて柔軟に自らを変化させ、かつて経験したことのない楽しさ、面白さを持った娯楽を提供していく。23年度はNitendo Switchハードウェア、ソフトウェアの販売数量の減少や、想定為替レートを22年度より円高に設定していることなどから、減収減益を見込む。
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参照コンテンツ
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