楽天グループの2023年12月期の連結決算は売上収益2兆713億円(前期比7.8%増)、営業損失2,129億円(同+1,588億円)と増収減益となった。売上収益はすべてのセグメントで増収を達成し、連結売上高は創業以来27期連続増収となった。一方、営業損失はモバイルへの投資が影響し、4期連続の赤字となった。事業別にみると、インターネットサービス事業においては、「楽天市場」をはじめとするEC事業の力強い成長や、行動制限緩和に伴う「楽天トラベル」の回復により、売上収益・営業利益が共に2桁成長を達成した。フィンテック事業では、「楽天カード」のショッピング取扱高や発行枚数、「楽天銀行」の口座数、「楽天証券」の口座数が、大きく増加し、売上収益・営業利益が共に2桁成長となった。モバイル事業では、通信料金収入が引き続き増加し増収となったが、ネットワーク関連コスト削減、設備投資の抑制によって営業利益は改善したが、3,375億円の赤字となった。今後の重点戦略は、モバイル事業となる。2024年度は「黒字化および国No.1携帯キャリア」「2024年12月までに月次EBITDA黒字化」を目指し、1.契約回線数伸長(800~1,000万回線)を価格の安さ、継続的な通信品質改善と通信品質に対する認知改善、楽天エコシステムユーザーの獲得強化で実現、2.ARPU伸長、3.EBITDAコスト削減により達成する。さらに、将来への布石としてAI戦略に取り組む。「AIの力で人間の想像力を高める」をビジョンに、第一弾として、迅速なプロトタイプ作成とディープラーニング基盤の確立を目指す。
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