ソフトバンクの現在の戦略は...
成熟下の脱キャリア戦略
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ソフトバンクグループの2022年3月期の連結決算は、売上高6兆2,215億円(前期比10.5%増)、税引前損益が-8,696億円と一転して赤字決算となった。損失の主な要因はソフトバンク・ビジョン・ファンド事業(税引前損益-2兆6,394億円)であり、高成長テクノロジー銘柄回避の動きやオーバーハング懸念、規制先強化などの様々な要因により複数社の株価が下落した。一方、アーム事業は売上高3,000億円(前期比143.0%)、税引前利益412億円(前期は339億円の損失)と大幅な増収増益となった。アームのテクノロジーを採用した5Gスマートフォンの出荷と5G基地局へのネットワーク機器の導入が大幅に増加したことや、自動車やサーバーなど多様な市場でシェアが拡大したことなどによるテクノロジー・ロイヤリティー収入の増加とともに、研究開発投資加速によりテクノロジー・ラインアップが拡充し、非ロイヤリティー収入も加速したことが要因となった。また、売上構成比の9割を占めるソフトバンク事業においては、LINE子会社化による広告関連サービスでの売上拡大や、テレワーク需要の高まりによるモバイル売上の拡大、企業のデジタル化に伴うクラウドサービスやデジタルマーケティングサービスの拡大により、セグメント全体では売上高5兆6,907億円(同9.3%増)、税引前利益8,801億円(同3.8%増)と増収増益であった。新型コロナウイルスやウクライナ侵攻による影響など不透明な環境が続く中、2022年度は「財務方針の堅持」「あらゆる変化に対応できる柔軟かつ機動的な財務運営」のふたつを財務戦略の柱として進めていく。
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