BYD Company Limitedの2023年12月期連結決算は、売上高は6,023億元(約12兆円、前年比42.5%増)、純利益は300億元(約6,000億円、同80.7%増)に達し、過去最高、大幅な増収増益を達成した。1995年に創業したBYDは、携帯電話電池事業からスタート。2003年に自動車事業に参入した。現在は、自動車事業および車載電池関連事業とスマートフォン受託製造・部品製造関連事業を展開している。事業セグメント別の業績を見ると、自動車および車載電池関連事業の売上高は4,892億元(前年比48.9%増)で、総売上高に占める比率は80.3%(前年+3.7%)に達した。スマートフォン受託製造・部品製造事業の売上高は1,314億元(前年比22.1%増)となった。地域別の売上高は中華圏が32.9%増、海外が75.1%増だった。業績好調の最大の要因は、EVとPHVの販売急増だ。BYDは2023年2月、エントリークラスとして人気を誇る「秦(Qin)PLUSシリーズ」のPHV版を10万元(約210万円)という低価格で市場導入。これを契機に、価格水準を同じクラスの他社エンジン車並みに引き下げたEVやPHVを続々導入していった。結果、競合他社エンジン車からのブランドスイッチが続出し、市場シェアを拡大。2023年の販売台数は302.4万台(前年比67.8%増)と急増した。2022年には、燃料エンジン車の生産を停止し、現在は「乗用車フルライン・マルチブランド戦略」を打ち出している。EV需要低迷、欧州における関税率アップなど環境は厳しいが、PHVを強みとする同社は、2024年上期も好調。NEVのリーダーの座をまい進する。
企業活動分析/戦略分析シートのご利用には有料の会員登録が必要です。
本コンテンツでは、企業の戦略や活動を当社独自のフレームに沿って時系列で整理しています。
各企業の決算情報やニュースリリースをチェックする手間をかけることなく、戦略や事業環境を素早く把握できます。競合比較や業界分析などに幅広くご活用ください。
現在、企業活動分析/戦略分析シートのサンプルを無料公開しています。無料会員への登録でダウンロードできますので、ぜひお試しください。
企業活動分析レポートのダウンロード
戦略200+・企業活動分析 レポートイメージ
企業活動分析に関する基調論文
参照コンテンツ
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。