日産自動車の2023年3月期連結決算は、売上高10兆5,967億円(前年比25.8%増)、営業利益3,771億円(同52.5%増)と増収増益となった。1台当たりの売上高の改善及び円安効果が主な増収要因であり、増益については、原材料価格の高騰やインフレーション等の減益影響はあったものの、継続的に取り組んでいる販売の質の向上による収益力の強化に加え、コスト・費用の改善効果及び為替変動の影響による。グローバル販売台数(小売り)は、主にサプライチェーンの分断及び半導体供給不足等により330万5千台(前年比14.7%減)となり、その結果、市場占有率は前年比0.8ポイント減の4.1%となった。日本国内の販売台数は45万4千台(同6.1%増)、中国は減産の影響から104万5千台(同24.3%減)、メキシコとカナダを含む北米市場は102万3千台(同13.5%減)となったが量より質を重視する取り組みを徹底。欧州は30万8千台(同9.2%減)だが撤退したロシア市場を除くと5.5%増、その他市場では47万4千台(同12.8%減)となった。 2020年度からは「事業構造改革計画/NISSAN NEXT」(2020~2023年度) のもと、量から価値へとビジネスを転換、2021年11月には長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表、「共に切り拓く モビリティとその先へ」をスローガンに、電動化を戦略の中核とし、移動と社会の可能性を広げるワクワクするクルマと技術の提供を目指している。「NISSAN NEXT」最終年度となる2023年度は、グローバル販売台数400万台を想定、売上高は12兆4千億円(前年比17%増)、営業利益5,200億円(同37.9%増)を見込む。
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