エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社の2024年3月期の連結決算は、売上高6,574億円(前年同期比4.7%増)、営業利益262億円(同130.0%増、過去最高)と増収大幅増益であった。百貨店事業は、コロナ禍からの回復に伴う入店客数の増加と高額商材を中心に売上が伸長した都心店が牽引し、 国内売上高は引き続き堅調に推移。インバウンド売上高は円安効果もあり過去最高となった。阪急本店では、全てのカテゴリーが前期実績を上回って推移。化粧品を含めファッション全般が好調で、ジュエリーや時計、ラグジュアリーブランドファッション等が好調なインバウンド売上の押上げも寄与し、売上高は過去最高。売上高は1,970億円(前期比13.6%増)、営業利益は216億円(同109.6%増)となった。食品事業では、売上・粗利益率改善に向け、曜日販促等による集客施策に加え、惣菜・PB商品や重点販売商品の取り組みを強化。イズミヤ・阪急オアシス株式会社の既存店売上高前期比は104.0%(客数102.2%、客単価101.7%)、株式会社関西 スーパーマーケットの同前期比は103.3%(客数99.4%、客単価103.9%)。売上高は4,128億円(同2.0%増)、営業利益は79億円(同44.9%増)となった。商業施設事業では、ホテル、ショッピングセンターが好調で、売上高409億円(同7.9%減)、営業利益37億円(同102.2%増)となった。同社は2024年5月に、前中期経営計画(2021-2023)の成果や経営環境変化などを踏まえ、「長期事業構想2030」を見直し成長戦略を再構築。「コミュニケーションリテイラー」というビジネスモデルの構築に乗り出すことを掲げた。2024年度から2026年度の中期経営計画では、新市場・新事業モデルへの展開を進める3年間として位置づけ、「既存事業の深化」「海外顧客ビジネスへの注力・ 強化」「新たな収益源の開発・展開」「IT・デジタル/顧客データ/人材の3つの経営インフラ強化」により新たな 収益源の確立を目指す。
企業活動分析/戦略分析シートのご利用には有料の会員登録が必要です。
本コンテンツでは、企業の戦略や活動を当社独自のフレームに沿って時系列で整理しています。
各企業の決算情報やニュースリリースをチェックする手間をかけることなく、戦略や事業環境を素早く把握できます。競合比較や業界分析などに幅広くご活用ください。
現在、企業活動分析/戦略分析シートのサンプルを無料公開しています。無料会員への登録でダウンロードできますので、ぜひお試しください。
企業活動分析レポートのダウンロード
- バックナンバー
企業活動分析に関する基調論文
参照コンテンツ
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。