ゼンショーホールディングスの2023年3月期連結決算は、売上高7,800億円(前期比18.4%増)、営業利益217億円(同135.4%増)と増収増益であった。セグメント別にみると、主力の外食事業は、コロナ禍後の消費者の行動や価値観の変化を受け、グループ全体で原材料調達、商品開発・供給体制の強化や、DXを活用した店舗オペレーション効率化による生産性向上をはかったことで増収増益。外食事業の内訳では、牛丼カテゴリーの「すき家」において「白髭ねぎ牛丼」や「炭火焼きほろほろチキンカレー」などの新商品を導入。一部商品の価格改定を実施する中、主力商品である牛丼並盛については、企業努力により価格を据え置いた。「なか卯」においても既存商品のブラッシュアップによる強化などを行ったことで、同カテゴリーは増収。「ココス」「ジョリーパスタ」などを擁するレストランカテゴリーでは、フェアメニューの積極的な導入や本格的な味の追求、新商品投入が功を奏して増収。「はま寿司」などのファストフードカテゴリーは、積極的なフェアメニューの導入や商品クオリティーの強化と生産性の向上に努め、増収となった。小売り事業は売上高が計画対比で伸び悩んだことやエネルギーコスト・配送費等の増加により減収減益に終わった。2023年度は、国内127店舗、海外599店舗の大量出店を継続するとともに、国内で築いた経営の根幹であるMMD(マス・マーチャンダイジング・システム)を「人類の食を支えるインフラ」として全世界に展開し、売上高8,985億円、営業利益401億円の増収増益を目指す。
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