ヤマトホールディングスの2024年3月期連結決算は、営業収益1兆7,586億円(前年同期比2.3%減)、営業利益401億円(同33.3%減)と減収減益となった。営業収益は、個人および既存の法人顧客に対するプライシングの適正化や、大口法人顧客との新規取引拡大により、宅配便収入は増加したものの、ロジスティクス・国際輸送関連の収入が減少したことなどにより減収となった(リテール、法人部門ともに減収)。営業利益は、ラストマイル集配拠点の集約・大型化や投函サービスの移管など、ネットワーク・オペレーション構造改革の推進により、配達員を中心とする3万人以上の人員削減(フルタイマー約3,800人、パートタイマー約29,000人)など人件費をはじめとした固定的なコストの削減に努めたものの、時給単価、委託単価など、外部環境の変化によるコスト上昇や、業務量の想定以上の下振れなどにより、3期連続の減益となった。ヤマトグループは「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」を2030年の目指す姿として定め、2024年2月に、2027年3月期を最終年度とした中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を策定。中期経営計画では、持続可能性への取組みによる「環境価値」「社会価値」を創造していく計画だ。事業領域も2025年3月期より、「エクスプレス(EXP)事業」「コントラクト・ロジスティクス(CL)事業」「グロー バル事業」「モビリティ事業」の4事業によるセグメントに変更し、事業ポートフォリオ変革により飛躍的な利益成長を目指すが、 2025年3月期上期決算は、減収・営業赤字と厳しい状況が続く。
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参照コンテンツ
- 戦略ケース 拡大する食品販売のネット化 (2012年)
- 戦略ケース ヤマトはネット企業に脱皮できるのか-ネット経済下で模索するヤマト(2000年)
- 戦略ケース ヤマト運輸株式会社 -ネット経済下のインフラ企業を目指す(1999年)
- 戦略ケース ヤマト運輸 クロネコの"ダントツ"計画(1989年)
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