ベンツに何が起こったのか。
そのつまづきの原因は、商品政策の失敗による、低価格へのシフトやブランドイメージの拡散などである。
失速したベンツに再生の道はあるのか。
図表1 米国高級車市場の上位5ブランド (台数ベース)(単位:台) |
米国の高級車市場では、2000年トヨタ自動車のレクサス(トヨタが米国で展開する高級車カテゴリーのブランド名)が、前年に首位だったメルセデス・ベンツを抜いて首位にたった(図表1)。米国の高級車市場はここ数年一貫して成長しており、2000年は前年比110%の204万台であった(図表2)。その高級車市場でレクサスが前年比111%の20万6,037台、ベンツが前年比109%の20万5,614台と、レクサスが僅差(423台)でベンツを上回った。安価な小型車イメージを払拭するために、トヨタが高級車ブランド「レクサス」を導入したのは89年である。レクサス専門のディーラー網を形成し、大規模なプロモーション展開を図るとともに、7つの商品(セルシオ、アリスト、ウインダム、アルテッツア、ランドクルーザー、ハリアー、ソアラの七つ。いずれも米国ではレクサス+製品番号名で販売されている)を順次投入することによって、ベンツを抜いた。
一方、日本の高級車市場では、昨年8月にモデルチェンジしたトヨタ自動車の「セルシオ」が9月に月間販売目標の12倍強となる2万5,000台を受注する等、トヨタの高級車が好調ななか、ベンツの国内販売台数が減少している(図表3)。今年1月には国内販売の不振から、25モデルを対象に平均9%の値下げに踏み切った(図表4)。
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