(2002.05)
チャイナインパクト!
ホンダ、スズキ国内バイクメーカーの逆襲(2002年)
戦略分析チーム
これまで世界市場を席巻してきた日本の二輪メーカーが、海外で中国メーカーの攻勢を受けている。お膝元の日本市場の規模がピーク時の1/4にまで縮小するなか、収益源であったアジア市場で低価格を武器にした中国製二輪車にシェアを奪われ、事業基盤が揺らいでいる。日系二輪メーカーは今後も競争力を維持していくことができるのか、各社の取り組みを整理する。
1.高付加価値化に逃げずに正面から挑戦を受ける
2002年1月末、国内バイクメーカー各社の国内出荷計画が発表された。2001年の国内出荷総台数が対前年約2%減の76万台だったにもかかわらず、ホンダは対前年5.6%増の43万台、ヤマハ発動機は同1.5%増の23万台、スズキは同5.0%増の11万2千台、川崎重工業は同40.0%増の2万8千台と、4社全てが出荷増を見込んでいる。各社、従来の市場価格から2~3割下回る10万円前後のスクーターを投入し需要を拡大させる考えだ。
低価格化に踏み切った背景には、低価格市場で正面から中国製製品の挑戦を受けようとする各社の決断がある。中国メーカーの追い上げに対し高付加価値商品にシフトし棲み分けるのでは、長期的に競争力を維持することができない。かつて、日系二輪メーカーは欧米で最下層市場に進出し、そこでのビジネスをベースに品質を向上させ、コストパフォーマンスに勝る商品を上位市場に投入しシェアを拡大させてきた。高付加価値製品シフト政策では、日系二輪メーカーが欧米メーカーに対してしたことを、中国系メーカーにされかねない。そこで、中国メーカーが最下層市場に浸食してくる前に、自分たちで最下層市場を再開拓し、中国系メーカーが自由に活動できる領域を狭めてしまおうというわけである。
以下では、中国メーカーを活用し低価格化を進めるホンダと国産での低価格化にこだわるスズキの取組みを紹介する。
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