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(2005.12)
リビング・エンターテイメントの覇者はだれか
合田 英了



Viivに託したインテルの野望
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 2006年、米インテルが、家庭内のデジタルエンターテイメント向けパソコン基盤技術「Viiv(ヴィーブ)」により、リビング・エンターテイメント市場に参入する。Viivは、デュアルコアCPU、チップセット、ネットワークチップ(イーサネット・無線LANコントローラ)で構成されるパッケージの名称であり、OSはWindows XP Media Center Editionが対応している。Viivが搭載されたパソコン、あるいはテレビ、DVD&HDDレコーダー、携帯端末等のデジタル家電によって、以下のようなことが可能になると言われている。
  • 購入した機器についた4桁のID番号を入れるだけでネットワークに接続できる
  • 家電と同様に、ボタンを押すだけで瞬時に電源の入/切ができる
  • 電力線通信(PLC)等を活用し、ハイビジョン画質の映像がオンラインで視聴できる
  • TVチューナー・カードによりテレビ番組の録画、一時停止、早送り巻き戻しが可能
  • 最新の映画、テレビ、音楽、ゲームにオンラインでアクセス、ダウンロードできる
  • 新インターフェースにより膨大なコンテンツの中からコンテンツを簡単に探し出せる
  • リモコンを使ってテレビのようにソファから遠隔操作ができる

 Viivの魅力は、家庭のエンターテイメントの「ワンストップ・サービス」を、家電品並の使いやすさで扱えることである。Viiv構想が発表された8月に続いて、11月には、Viiv対応のコンテンツパートナーが発表された。映画/ビデオ/テレビではBellrock Media Japan(吉本興業の関連会社)、Movielink、TiVo、Usen Corp、音楽ではエイベックスネットワーク、Loudeye、Napster、Oricon、Virgin Mega、ゲームではカプコン、スクウェア・エニックス、Ubisoftなど世界中の40以上の企業があげられ、インテルからコンテンツの開発ツールが提供されている。
 インテルの戦略は、現状は様々なプロバイダーから提供されているコンテンツをひとつに束ねるようなゲートウェイプラットフォームを創造し、機器の利用価値をあげることで、使用者を増やし、基幹デバイスの量産を図るものと考えられる。基幹デバイスの量産のために、コンテンツ・サービスとハードウェアとを融合させ、搭載されるハードウェアを家電や携帯端末にまで広げ、使用者を増やしていく、インテルのプラットフォーム戦略の成否は、搭載される機器・端末の製造メーカー、ソフトウェア、コンテンツ事業者等の関与者とのネットワークをいかに広げられるかにかかっていると言える。マイクロソフトのウインドウズによって支配されたパソコン市場で、単なるCPU製造メーカーのひとつになった同社が、プラットフォーム戦略を採用し、リビング市場において、マイクロソフトを下請け化することで主導権を取り戻す挑戦であると考えられる。

 「Viiv」に限らず、コンピュータとテレビ、すなわち放送と通信との融合がこの数ヶ月のうちに大きく加速した。そのホットな話題を他にもいくつか紹介しておきたい。
放送と通信との融合に向かって大きな動きをみせている企業が、前出のインテルの他、マイクロソフト、アップルコンピュータ、シスコ・システムズだ。そして、これらの企業に共通している点は、リビングルームに照準を合わせているということだ。

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