商業施設のターゲットは自立した大人「Lifestyle Artist」
商業テナントの選択基準を定める
的を絞ったブランド選び
「食」へのこだわり
テナントのトレンド力、シーズンプロモーションで鮮度を保つ
六本木ヒルズとの相乗効果をうむ
都心のトレンドは「食と趣味」へ
東京ミッドタウン外観 |
明石氏 東京にある複合開発なので、「東京の今」を体現できるようなものにしたい、街のブランドを形成していこうという考えのもとで開発を進めました。東京の中のひとつの街、しかも居心地のよいわくわくする街として機能していくものをつくることを目指しました。
── 商業施設の位置付けについて教えてください。
明石氏 複合開発ですので、商業施設に加えてホテルもあれば住宅もオフィスもあります。その中で、一番イメージをつくりやすいのは商業施設ではないかと考えました。そのため、どういう商業施設をつくっていくかということについては、決まるまでに時間がかかりました。
── 商業施設のコンセプトを「都心の上質な日常」とするにあたって、どんな時代や市場の変化に注目したのですか?
明石氏 価格の高い物だけで揃えることがステータスということではなくて、メリハリのある消費行動が定着してきていることに注目しました。「自分のこだわりが一番なんだ」という考え方への変化があると思います。今、東京で過ごしている方々がどんな消費行動をとるのかを考えてみると、情報が溢れていますので、押しつけられた情報だと皆さんに見向きもされないのではと認識しています。単なる「高級」というよりは「質の確かさ」がキーワードとなると考えました。
六本木というエリアの特性にも注目しました。六本木には、外国人居住者の方が多いという特徴があります。また、オフィスに勤める方々は、丸の内や大手町と異なり、いわゆるクリエーティブクラス、個人の才能を生かして商売をされている方が多くいらっしゃると認識しています。例えばインテリアデザイナー、レストランのオーナー、コンサルティング企業のオーナー、マスコミ関係、コピーライター、デザイナーといった方々です。そういう方々のオフィスや住宅が非常に多いエリアだろうと捉えています。私は今、東京ミッドタウン内のオフィスで働いており、六本木や麻布の界隈はそのような方々が東京の中でも集中して住んでいらっしゃると感じています。六本木を活動の場とする方々は、情報を発信する力があり、トレンドを引っ張っていくタイプが多いと思います。その方々が好んで買い物をし、食事をし、遊びに来るような商業施設をつくることが、東京のトレンドの先端を提案するために必要だと考えました。これが六本木でなく、新宿だったら、異なるコンセプトになっていたと思います。
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