半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2007.10)
シリーズ ワンランクアップ消費へのサクセス企業インタビュー
東京ミッドタウン
都会の先端層に目線を合わせ、六本木で新たな街づくりに挑戦



 東京の一等地、旧防衛庁跡地の広大なスペースにつくられた東京ミッドタウンが、2007年3月30日にグランドオープンした。東京ミッドタウンは、オフィス、商業施設、賃貸住宅、ホテル、デザイン関連施設、医療センター、ホール&カンファレンスで構成される大型複合施設である。六本木の新たなランドマークとして注目を集めている。特に約130店舗ある商業施設は、今最もホットなスポットである。その商業施設の開発に携わった、三井不動産株式会社・東京ミッドタウン事業部の明石由紀子氏にお話をうかがった。

構成
街のブランドを形成する
商業施設のターゲットは自立した大人「Lifestyle Artist」
商業テナントの選択基準を定める
的を絞ったブランド選び
「食」へのこだわり
テナントのトレンド力、シーズンプロモーションで鮮度を保つ
六本木ヒルズとの相乗効果をうむ
都心のトレンドは「食と趣味」へ

街のブランドを形成する
東京ミッドタウン外観
── はじめに開発の狙いを教えてください。
明石氏 東京にある複合開発なので、「東京の今」を体現できるようなものにしたい、街のブランドを形成していこうという考えのもとで開発を進めました。東京の中のひとつの街、しかも居心地のよいわくわくする街として機能していくものをつくることを目指しました。

── 商業施設の位置付けについて教えてください。
明石氏 複合開発ですので、商業施設に加えてホテルもあれば住宅もオフィスもあります。その中で、一番イメージをつくりやすいのは商業施設ではないかと考えました。そのため、どういう商業施設をつくっていくかということについては、決まるまでに時間がかかりました。

── 商業施設のコンセプトを「都心の上質な日常」とするにあたって、どんな時代や市場の変化に注目したのですか?
明石氏 価格の高い物だけで揃えることがステータスということではなくて、メリハリのある消費行動が定着してきていることに注目しました。「自分のこだわりが一番なんだ」という考え方への変化があると思います。今、東京で過ごしている方々がどんな消費行動をとるのかを考えてみると、情報が溢れていますので、押しつけられた情報だと皆さんに見向きもされないのではと認識しています。単なる「高級」というよりは「質の確かさ」がキーワードとなると考えました。
 六本木というエリアの特性にも注目しました。六本木には、外国人居住者の方が多いという特徴があります。また、オフィスに勤める方々は、丸の内や大手町と異なり、いわゆるクリエーティブクラス、個人の才能を生かして商売をされている方が多くいらっしゃると認識しています。例えばインテリアデザイナー、レストランのオーナー、コンサルティング企業のオーナー、マスコミ関係、コピーライター、デザイナーといった方々です。そういう方々のオフィスや住宅が非常に多いエリアだろうと捉えています。私は今、東京ミッドタウン内のオフィスで働いており、六本木や麻布の界隈はそのような方々が東京の中でも集中して住んでいらっしゃると感じています。六本木を活動の場とする方々は、情報を発信する力があり、トレンドを引っ張っていくタイプが多いと思います。その方々が好んで買い物をし、食事をし、遊びに来るような商業施設をつくることが、東京のトレンドの先端を提案するために必要だと考えました。これが六本木でなく、新宿だったら、異なるコンセプトになっていたと思います。

 本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)へのご登録が必要です。

メンバーシップサービス会員ご登録についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。



お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

新着記事

2024.04.12

成長市場を探せ ビスケット市場、4年連続プラスで初の4,000億超えに(2024年)

2024.04.11

24年1月の「現金給与総額」は25ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.04.10

マーケティング用語集 イールドカーブ

2024.04.09

24年2月は「完全失業率」、「有効求人倍率」とも悪化

2024.04.08

企業活動分析 任天堂の23年3月期は主にハードウエアの売上減が響き減収減益

2024.04.05

消費者調査データ ノンアルコール飲料(2024年4月版) 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」

2024.04.04

企業活動分析 NTTの23年3月期はITサービス拡大で増収増益、過去最高更新

2024.04.03

24年3月の「乗用車販売台数」は3ヶ月連続の2桁マイナス

2024.04.02

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子

2024.04.01

24年2月の「新設住宅着工戸数」は9ヶ月連続マイナスに

2024.03.29

企業活動分析 KDDIの23年3月期は法人向け好調等で増収、過去最高益更新

週間アクセスランキング

1位 2024.04.02

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子

2位 2023.04.05

日本人の7割はチーズ好き ぜいたくニーズに支えられ伸長

3位 2016.03.16

【マーケティングFAQ】どうすればブランド力を強化できるか

4位 2024.03.28

月例消費レポート 2024年3月号 消費は足踏み状態が長期化している-インフレ見通しや消費マインド改善などによる消費回復の後押しに期待

5位 2024.04.03

24年3月の「乗用車販売台数」は3ヶ月連続の2桁マイナス

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area