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(2008.04)
改正薬事法で変わるドラッグストアの競争軸



1.持続成長するドラッグストア
図表1.ドラッグストアの店舗数・売上高の推移
 多くの日本の小売業が業績低迷に苦しむなかで、ドラッグストアは成長を続けてきた。2007年度の店舗数は15,384店、売上高は4兆9,657億円と推計されている。業界統計をとりはじめた2000年度以降毎年成長を続け、2000年と対比すると店舗数で131%、売上高で187%の高成長を実現した。この業態が注目されはじめたのは1990年ごろであるから、18年間連続で成長してきたとみることができる(図表1)。
 この勢いが衰えることなく持続成長している、数少ない市場である。人口減少が続く日本市場において成長を促進する要因は多数ある。65歳以上の人口比を示す高齢化率は2000年で17%、2015年には25%、2030年には28%になると予測されている。そうなると国民医療費は現在の31兆円から倍以上になると推計されており、国は、医療用医薬品として用いられていた有効成分を一般医薬品に使用できるように切り替える「スイッチOTC」の拡大や、セルフメディケーション(自分自身での健康管理)を啓蒙している。メタボリックシンドローム該当者は920万人、予備軍980万人と推計されている。さらに生活習慣病の推定人数は高血圧症3,100万人、高脂血症3,000万人、糖尿病740万人となり、国民の47%はこの三つのいずれかに該当するとみられている。このように、市場にはヘルスケアニーズが高まるという追い風が吹いており、業界では2012年には10兆円産業にまで発展させることを目指している。
 そのなかで大きな転機が訪れようとしている。2009年春に施行される改正薬事法である。ここでは、改正薬事法が与えるインパクトとドラッグストア業界に起こる変化について考察していきたい。

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