図表1.景気の悪さを実感した時期とそのきっかけ |
「今後の景気見通し」については、07年8月から一転して、76.5%が「悪くなる」と答えている。07年春頃からガソリン高や食品などの値上げが意識されはじめ、米国でのサブプライムローン問題を機に世界の株価の大幅な変動によって不安が増加したことやビールや食パンなど値上げによって生活費が上昇するなど実生活の変化が、景気認識悪化のきっかけになっている。
消費者の今後の支出意向も大きく変わっている。08年7月時では、約40%が「今後の世帯の支出を減らしたい」と考えており、07年よりも一気に増加している。消費者は支出を抑制し、節約モードに入ってきている。経済環境の悪化や値上げをトリガーに消費マインドが急速に悪化し、これまで好調だった消費がスローダウンしている。
これに追い打ちをかけるように、この冬のボーナス支給額が昨冬実績比0.63%減と、6年ぶりのマイナスになる見込みである。さらに、雇用環境も悪化する兆しである。失業率も微増する傾向にある。消費に大きく影響する収入と雇用が僅かながら悪化し始め、消費者の財布の紐は固くなりつつある。
こうした状況下で、消費者の買い物の仕方が変化し、スーパーの特売日やセールに顧客が集中する傾向が強まっている。ダイエーでは毎週木曜日に特売の「木曜の市」を行っているが、顧客がそこに集中している。9月以降の「木曜の市」の売上高は07年と比べて20~30%増加している。食品だけでみれば約50%以上も売上が伸びた週もある。食品スーパーのいなげやでも折り込みチラシを入れる水曜日と土曜日の客数が前年の同曜日と比べて約10%伸びている。一方で、通常の営業日や通常売価の商品の売上は伸びていない。消費者が特売日を選んで買い物する、特売日のお店を選んで買い物する傾向が顕著になってきている。
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