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(2008.10)
変容するトクホ市場 ~第二の成長ステージへ



1.トクホ市場継続拡大するが、成長の主役が交代
分野別市場規模
 特定保健用食品(以下、トクホ)市場は成長がやや鈍化したものの、継続的に拡大している。1999年から2001年の2年間の182%をピークに、2001年から2003年で138%、2003年から2005年で111%、2005年から2007年で108%と2ケタ成長を割ったものの、2007年は6,798億円に達した。
 用途分野別(許可表示機能分野別)に変化をみると、構成比が最も大きくこれまでの成長を牽引してきた「整腸」が2005年比94%と初めて減少に転じ、マイナス232億円と大幅に減少した。2005年時点で構成比が2番目に大きかった「歯」は99%と微減となり、代わりに「中性脂肪・体脂肪」が182%、プラス725億円、構成比24%となり、「歯」に代わって2番目の規模となった。「整腸」「歯」という、どちらかというと日常的な体調ケアの領域から、成長の主役は交代した。
 これは、2005年にメタボリックシンドローム(以下、メタボ)の評価基準が発表され、マスコミで大きく扱われ一般に広く知られるようになったことが契機となっている。メタボの診断基準は次のようになっている。腹囲が男性85センチ、女性90センチ以上で、三つの項目(血中脂質、血圧、血糖)のうちふたつ以上の項目が異常値で該当。予備軍は腹囲が男性85センチ、女性90センチ以上で、三つの項目(血中脂質、血圧、血糖)のうちひとつが異常値で該当。
 厚生労働省の推計によると、2005年時点で、40歳以上男性の該当者は25%、予備群26%、合計51%。40歳以上女性の該当者は13%、予備群8%、合計21%。40~74歳の該当者約920万人、予備群約980万人、合計1,900万人となっている。

2.メタボ対策分野が急拡大するが中でも「中性脂肪・体脂肪」に偏重
 トクホのうち、メタボ対策に該当する用途分野は「中性脂肪・体脂肪」「コレステロール」「血圧」「血糖値」の四つがあるが、用途分野別に2005年~2007年成長率、増減金額、2007年金額をみると、
  • 「中性脂肪・体脂肪」 182% +725億円 1,606億円
  • 「血圧」170% +103億円 251億円
  • 「コレステロール」 101% +2億円 230億円
  • 「血糖値」90% -22億円 211億円
と、「中性脂肪・体脂肪」に集中している。一方、メタボ実態を「2005年国民健康・栄養調査」(厚生労働省)でみると、高血圧に該当する人が最も多い(40歳以上)。
  • 高血圧 有病者55% 予備群16% 計71%
  • 腹囲 男性(85センチ以上)56% 女性(90センチ以上)22% 男女計換算 39%
  • 脂質異常 19%
  • 糖尿病 有病者12% 予備群21% 計33%
おおまかな目安として高血圧を10として分野別の規模を比較すると、該当者実態は
  • 高血圧10:腹囲6:脂質異常3:糖尿病5
トクホ市場は
  • 高血圧10:中性脂肪・体脂肪64:コレステロール9:血糖値8
と実態に比較してトクホ市場は中性脂肪・体脂肪が突出している。

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