課税ベースの合計出荷量は、07年比2.4%減の4億8,268万ケース(1ケースは大瓶・633mlで20本換算)となり、現行の統計が発表されるようになった1992年以降、過去最低を4年連続更新した。内訳では、ビールが2億5,612万ケース(07年比6.5%減)、発泡酒が1億1,235万ケース(同7.7%減)、第三のビールが1億1,420万ケース(同13.8%増)と第三のビールだけが増加した。
これにより第三のビールの構成比は23.7%と、23.3%にとどまった発泡酒を初めて上回った。03年の酒税法改正に伴って税率が引き上げられた発泡酒よりも低価格を実現した第三のビールは、04年にサッポロビールが「ドラフトワン」を発売して以来、各社が追随することで販売量が拡大している。特に08年はビール各社が原材料価格の高騰を理由に値上げに踏み切ったうえに、景気が急速に悪化するという悪循環で、消費者が節約志向を強め、第三のビールへのシフトを促進した。
ビールと第三のビールに挟まれ、中価格帯となった発泡酒はキリン「淡麗」のような強いブランド、または「糖質オフ」のような特定層で根強い支持を持つ商品以外は総じて販売減少となっている。カテゴリーとしての特徴がなく、価格も中庸な発泡酒はその衰退スピードに歯止めをかけるのは難しいと推測される。
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ビール各社の企業活動分析