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(2009.02)
出荷量過去最低でも全社営業増益
2008年のビール市場と2009年の展望



1.ビール系飲料出荷量、4年連続過去最低を更新。第三のビールが発泡酒を抜く
 1月に発表されたビール大手5社の2008年通年のビール系飲料(ビール、発泡酒、第三のビール)の合計出荷量によると、ビール系飲料の出荷は過去最低を更新し、市場の減少傾向に歯止めをかけることはできなかった。
 課税ベースの合計出荷量は、07年比2.4%減の4億8,268万ケース(1ケースは大瓶・633mlで20本換算)となり、現行の統計が発表されるようになった1992年以降、過去最低を4年連続更新した。内訳では、ビールが2億5,612万ケース(07年比6.5%減)、発泡酒が1億1,235万ケース(同7.7%減)、第三のビールが1億1,420万ケース(同13.8%増)と第三のビールだけが増加した。
 これにより第三のビールの構成比は23.7%と、23.3%にとどまった発泡酒を初めて上回った。03年の酒税法改正に伴って税率が引き上げられた発泡酒よりも低価格を実現した第三のビールは、04年にサッポロビールが「ドラフトワン」を発売して以来、各社が追随することで販売量が拡大している。特に08年はビール各社が原材料価格の高騰を理由に値上げに踏み切ったうえに、景気が急速に悪化するという悪循環で、消費者が節約志向を強め、第三のビールへのシフトを促進した。
 ビールと第三のビールに挟まれ、中価格帯となった発泡酒はキリン「淡麗」のような強いブランド、または「糖質オフ」のような特定層で根強い支持を持つ商品以外は総じて販売減少となっている。カテゴリーとしての特徴がなく、価格も中庸な発泡酒はその衰退スピードに歯止めをかけるのは難しいと推測される。


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