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(2013.07)
『頭皮を洗う』で頭角あらわす「スカルプD」
~ネットを使った新需要開拓マーケティングと今後の展開~
戦略研究チーム

2桁成長を続けるアンファー、成熟するヘアケア市場の中で薬用シャンプー市場を活性化
 成熟市場と言われていたヘアケア市場の中で、頭皮のケアをうたった商品が次々に登場している。『頭皮を洗う』、『すべてのオスたちのためのスカルプケア』、『ノンシリコン』...。こういった商品が数年前に登場して以来、最近では目にする・耳にする機会がさらに増えたという人も多いだろう。
 厚生労働省の薬事工業生産動態統計調査によると、こうした薬用シャンプーの生産金額は2011年で約280億円(前年比7.9%増)となり、2008年以降、3年連続での対前年比増となっている。商品アイテム数も増え、広告・宣伝などで見聞きする機会も増えており、成熟して縮小傾向にあるヘアケア市場の中にあっても、今後も引き続き伸びていく市場だと考えられている。

図表1.薬用シャンプー市場の伸長と
アンファーの売上推移
 ここまでの薬用シャンプー市場拡大の牽引役となったのは、間違いなくアンファーだといえるだろう。アンファーは専門医師との共同研究、医療機関専売商品の開発など「医療」の分野からスタートをきり、2005年には、代表ブランド「薬用スカルプD」を発売。販売メインサイトを立ち上げている。その後、2008年度実績では13億円であった売上高は、2010年度では61億円(前年比126%増)、2011年度では87億円(同43%増)と順調に伸びていき、2012年度実績では99億円(同14%増)と、毎年2桁成長を続けている。代表ブランドである「薬用スカルプD」は、楽天市場の楽天年間ランキングで3年連続総合1位(2010年-2012年)を獲得しており、現在の頭皮ケアブームを代表するブランドとなっている。では、アンファーはどのようにして市場を開拓していったのか。アンファーの具体的な取組みをみていく。

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