コスト・リダクションとイノベーションの連鎖
顧客接点のリ・デザインによるイノベーション
テール型小売と一体となったスモールセグメント開発
カルビーの快進撃が止まらない。
2013年度決算は、売上高1,999億円(前年比111%)、営業利益197億円(前年比125%)と絶好調、しかも2009年度以降右肩上がりの成長が続いている(図表1)。
図表1.カルビーの業績推移
この間、売上高は1.4倍、営業利益は2.1倍に増えている。営業利益率は、2009年度の3.2%から2013年度は9.9%と食品メーカーのなかではトップクラスとなり収益構造を転換させた。(ちなみに2008年度の営業利益率は1.4%。カルビーは2009年度に株式上場し決算情報を公開している)
転機となったのは、2008年から社外取締役に就任、2009年には会長兼CEOに就任した松本氏の採った戦略である。
カルビーが採った戦略は「コスト・リダクション」と「イノベーション」である。製造コストが高い体質を改め、既存事業・新規事業の改革による成長を目指す戦略である。
まず手をつけたのは、「コスト・リダクション」である。当時の製造原価率は、競合メーカーが57%であるのに対し、2009年度時点で60%、それ以前は65%と高かった。
売上原価率を下げるために、打たれた対策は以下のようなものである。
- 全国17工場が個別に調達していたのを改め、本社購買部門で一括調達
- 調達の競争入札
- 資材・設備の共通化
- 変動費の引き下げ(余計なものは買わない)