半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2014.09)
食品小売業の再編四つの方向
~ オムニチャネルと消費税増税が加速させる小売業の再編 ~
マネジャー 川口 健一


構成
  食品小売業再編を加速させる、ふたつのトリガー
  四つの再編方向 I.国内2大流通グループの全国展開強化
  四つの再編方向 II.リージョナル・ローカルトップクラスによる地域小売再編
  四つの再編方向 III.中小・零細規模のローカル小売の連携に規模拡大
  四つの再編方向 IV.都市部における小商圏対応の多業態・多店舗展開
  2015年10月、消費税10%に向けて
本コンテンツの全文は、会員サービスでのご提供となっております。
ご利用には有料の会員登録が必要です。
ご登録済みの方は、こちらから全文をご利用ください。
ご登録はこちらをご覧ください。

食品小売業再編を加速させる、ふたつのトリガー

 2014年に入り、食品小売業の再編が加速している。その大きなきっかけ(トリガー)はふたつある。ひとつは、2013年11月にセブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)が打ち出した「オムニチャネル戦略」である。セブン&アイは、リアル店舗とネットを融合させるオムニチャネル戦略で鍵を握る「顧客接点数」で圧倒的な優位に立つため、グループの店舗数を急速に増やしている。中核のCVSセブン-イレブンは、これまで「特定の地域へ集中的に出店する」ドミナント戦略を基本としてきたため、未出店地域が多かった。しかし2013年の四国進出に加え、2014年3月にはJR西日本グループと業務提携して同グループが展開する駅店舗をセブン-イレブンに転換していくなど、手薄だった西日本エリアにおける店舗網拡大を急速に推進している。

 またセブン&アイは、CVS、GMS(イトーヨーカ堂)、百貨店(そごう・西武)、食品SM(ヨークベニマル、ヨークマートなど)、専門店(赤ちゃん本舗、ロフトなど)から外食(デニーズ)まで多様な業態を展開しているが、2013年12月には、通販のニッセンホールディングス、高級衣料品のバーニーズジャパン、日曜雑貨店「フランフラン」を展開するバルス、さらには西日本の食品SM天満屋ストアと立て続けに業務提携するなどオムニチャネル戦略を「成長の第2ステージ」としてグループ拡大に積極的である。

 もうひとつは、2014年4月から施行された「消費税増税」である。増税に伴うレジやプライスカードなど売場の設備投資が大きな負担となり、加えて競争相手との価格競争がより厳しくなるなど、企業の体力差が鮮明となる。2015年10月には現行8%から10%へと税率アップが予定されていることから、経営基盤の弱い企業は一気に再編の波に飲み込まれることが予想される。








お知らせ

2024.12.19

JMR生活総合研究所 年末年始の営業のお知らせ

新着記事

2024.12.20

消費者調査データ No.418 サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも

2024.12.19

24年10月の「商業動態統計調査」は7ヶ月連続のプラス

2024.12.19

24年10月の「広告売上高」は、6ヶ月連続のプラス

2024.12.19

24年10月の「旅行業者取扱高」は19年比で83%に

2024.12.18

提言論文 「価値スタイル」で選ばれるブランド・チャネル・メディア

2024.12.18

24年11月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続の50ポイント割れに

2024.12.18

24年11月の「景気の現状判断」は9ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.12.17

24年10月の「現金給与総額」は34ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.12.16

企業活動分析 SGHDの24年3月期はロジスティクス事業不振で2期連続の減収減益

2024.12.16

企業活動分析 ヤマトHDの24年3月期はコスト削減追いつかず3期連続減益

2024.12.13

成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク(2024年)

2024.12.12

24年10月の「家計収入」は再びプラスに

2024.12.12

24年10月の「消費支出」は6ヶ月連続のマイナスに

2024.12.11

提言論文 価値スタイルによる生活の再編と収斂

2024.12.10

24年10月は「有効求人倍率」は改善、「完全失業率」は悪化

2024.12.09

企業活動分析 江崎グリコ株式会社 23年12月期は国内外での売上増などで増収増益達成

2024.12.09

企業活動分析 日清食品ホールディングス株式会社 24年3月期は価格改定浸透で増収、過去最高益達成

 

2024.12.06

消費者調査 2024年 印象に残ったもの 「大谷選手」「50-50」、選挙も五輪も超えてホームラン!

2024.12.05

24年11月の「乗用車販売台数」は3ヶ月ぶりのマイナス

週間アクセスランキング

1位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

2位 2024.04.05

消費者調査データ ノンアルコール飲料(2024年4月版) 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」

3位 2024.12.04

提言論文 本格消費回復への転換-価値集団の影響力拡大

4位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area