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(2016.07)
あまり知られていない中国自動車産業の実情
本コンテンツは、2016年7月25日の「Business Journal」に掲載された記事のオリジナル原稿です。
シニア・リサーチャー 張暁霖



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 中国の自動車販売台数は2015年、2,459万台(内、乗用車2,114万台)に達した。世界全体の自動車販売台数8,797万台に対して、実に27.9%のシェアを持つことになる(ちなみに、日本国内510万台、北米NAFTAが2,059万台)。近年は、成長率が鈍化しているとはいえ、今後も年間5%前後の成長を続けることが見込まれている。日本企業は、中国の自動車市場への関心が高いものの、自動車産業の構造と変化を十分にキャッチアップしているとは言いがたい。本稿では、中国の自動車産業についての基本情報を整理してみる。

 中国の自動車市場が拡大した背景には、リーマンショック後の対策として4兆元規模の財政出動があった。キーとなる政策はふたつある。ひとつは、2009年から2010年にかけて、小型乗用車(1,600㏄以下)の購入税が従来の10%から5%に引き下げられた。これにより、都市の一般家庭を中心にコンパクトカーの需要が急速に拡大した(ただし、販売数量でみると、Cセグメントが圧倒的に多い)。乗用車といえばセダンという市場状況が一変し、ハッチバック、続いてコンパクトSUVが市場を席巻した。それまで市場をリードしてきたドイツ勢は、このコンパクトムーブメントに十分対応できず、結果として中国国内勢の台頭と日本勢の巻き返しが起きた。

 同時に、農村部においても自動車普及策が採られ、特定車格に対し、購入費用の10%を補助した。この政策によって、農用車の需要のかなりの部分が乗貨両用車に置き換わった。

 最近の中国経済絡みのニュースは、成長率の低下や産業構造調整などネガティブなものが多い。しかし、自動車市場は、農村部まで普及し始めたことや、今後の買い替え需要などからみても、巨大な市場であり続ける可能性が高い。中国市場を抜きに世界の自動車産業を語ることはできない。


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