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今回は、人工知能の一種であり近年大きな成果をあげている、機械学習についてとりあげる。ここ数年、人工知能が注目されるきっかけとなったディープラーニングもこの手法のひとつである。
機械学習というのは、大量のデータから法則(ルール)を見つけたり、またはそれに基づいた予測を行うものである。人間の学習のように、ある種のタスクに対してより改善する能力(ルールやプログラム)を自動的に獲得するといったより広い定義もある。前回の連載との関連を述べるのであれば、人工知能における推論(「演繹推論」、「帰納推論」、「アブダクション」)のなかの帰納推論の一種にあたる。例えば、人工知能では画像を入力してそれが人間なのかその他の動物なのかといった判定するような技術(パターン認識)などに利用されている。マーケティングやそれをシステム化したマーケティング自動化(マーケティング・オートメーション)の領域においては、ある顧客の購買確率の予測や、見込み客の選別などに利用できる。身近な事例ではオンラインショップでのプロモーションで頻繁に利用されるレコメンデーションシステムもこうした技術の一種である。なお、これは帰納推論の一種にあたるため、得られた推論が必ずしも正しいとは限らない。しかし複数のデータに基づいた推論であるため、アブダクションよりは妥当性が高いことが多い。また、目的が多少は異なるものの、統計学における回帰などの分析手法にも近い。
以下、1節では、どのような種類の機械学習法があるかを分類しながら概説する。主に「教師あり学習」と「教師なし学習」について紹介する。これらの分類はマーケティングへの応用する際にも参考になる。加えて、「ホワイトボックス」や「ブラックボックス」といった近年注目されている視点についても紹介する。2節では具体的に教師あり学習のなかのホワイトボックス、ブラックボックスタイプの技術である、ベイズの技術やニューラルネットワークについても紹介する。また、補足でベイズの技術を応用した推定方法であるベイズ統計についても紹介する。
参照コンテンツ
【シリーズ】マーケティングのための人工知能入門およびその周辺技術
- (1)人工知能とその社会的インパクト
- (2)人工知能とは
- (3)機械学習の入門およびマーケティング
- (4)ディープラーニングなどの新たな機械学習と因果などの限界
- (5)実践:今日からはじめる機械学習とディープ・ラーニング
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