都市部の営業マンに朗報である。都市で新しい営業チャンスが生まれている。
最近、都心で注目すべき現象が起きている。「都心への人口回帰」である。東京では23区の人口増が顕著で、2000年国勢調査では前回(95年)と比較して、19区で人口が増加した。中央区で13.5%増と45年ぶりの増加となった他、千代田区も45年ぶりの増加、港区も40年ぶりの増加となった。
人口増加の直接的原因は、20階建て以上の超高層マンションを中心とする大量のマンション供給にある。2001年に都区部で完成した超高層マンションは15棟、4,108戸で過去最高だった前年実績と同様の水準であった。2003年以降は年間1万戸のペースで増える計画である。都市部の地価下落傾向と政府の都市再生法がこの傾向を後押し、都市への人口回帰と都市の繁栄を促進する。似たような現象は、日本のいくつかの都市部でみられる。都市への人口回帰は中心部の定住人口の増加を意味する。都市中心部でニュータウン化、「職住近接」の新しいライフスタイルが、今生まれつつある。
都市部の人口増により、今後量的な需要拡大効果が見込まれる。成長する商圏は、東京で言えば、汐留、品川、大崎、青山、池袋、お台場、恵比寿等、これまで営業の手の薄かった商圏である。このような成長商圏が、突如として生まれる。成長商圏を見極め、ピンポイントで素早く有力拠点店の店頭を確保することが売上アップのポイントである。具体的には三つの手がある。
ひとつは、ターゲットプロモーションである。成長商圏の特定層に向けたイベント、サンプリング活動である。この手法は、特定の商圏において露出効果と売上拡大効果を飛躍的に高めることができる。日本リーバは、「モッズヘア」の認知拡大のために、池袋等主要な都市の成長エリアでドラッグ来店者に的を絞ってサンプリングを行って成功している。
ふたつは、有力拠点店攻略である。商圏内で最も売上拡大効果が期待できる個店を選別し、そこへの営業攻勢と店頭フォロー活動を集中させることである。眞露ジャパンは都市における成長商圏で最も集客力が高い料飲店を設定し、業務用酒販店と問屋を巻き込んでターゲット料飲店を攻略する方法で成功している。
三つは、店頭共同プロモーションである。拠点店店頭における、都市の新しいライフスタイルの提案である。高層マンションの住民は、30~40代の高収入・高学歴で上昇志向が強い、消費意欲旺盛なシングル、またはファミリーである。ハイテク機器、ハイデザインの家具に囲まれたステータス性のある都会ライフの提案で売場スペースを確保することがポイントである。
都市の成長商圏をピンポイントで攻略し成功するには、以上のオプションをうまく組み合わせて継続的に展開することが重要だ。
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