電話でのアポイント、電子メールでのご案内、直接の飛び込み訪問をしても、アポイントが取れない、門前払いされてしまう。商談をしようにも、この壁を越える前に挫けてしまう場面は実に多い。初回のアプローチで見込みが全く無い場合は、相手の都合を考えない押し売りのようになってしまうため、それ以上営業活動を続けても受注には至らない。しかし、営業見込みがあると確信できる場合は、初回で門前払いされても、アプローチしたい相手への接触頻度を上げるように努めるべきである。
営業活動に限ったことではないが、接触する回数が増えるほど、人と人との親近感や好意、親密度は高まるという現象が知られている。単純接触効果、ザイオンス効果といわれるものである。もともとアプローチしたい相手にとって興味関心がないものであったり、興味関心はあっても、信頼関係が築けていない初期の段階から強引にクロージングするような相手に不愉快な態度を示すのは逆効果であるが、そうでなければ、接触頻度の多寡は営業成果に反映されるものである。「今後の訪問はお断り」といった悪い関係に陥っていない限り、巧く接触頻度を上げることだ。
単純接触効果(ザイオンス効果)を知っていれば、何度も相手と接触するための「段階的なアプローチのシナリオ」を作ることができる。しかし、何度も会えば会うほどいいとはいっても、会う用件がなければそれもできない。でも、何度も会うことが肝要である。このためには、相手との信頼関係を作る段階を意図的に設け、相互理解の上で最適な解決策としての自社商品・サービスを提案する、という多段階のシナリオを持つことである。
初回の接触では売り込みはせず自己紹介に留め、次回の面談の確約を得る。できれば1週間以内に再訪問し、ここでも売り込みではなく、相手の困っていることを話題にして提案チャンスを探る。さらに次の訪問では相手の課題解決に役立つヒントを案内する。このやり取りを積むことで信頼関係を作りながら自社の商品・サービスへの関心を高めてもらう。最終的には、こちらから売り込むのではなく、相手から注文が出てくるように誘導していく。相手には何度も会うことが有効なのだから、それが出来るようにシナリオを作り、営業活動を展開すべきである。
おすすめ新着記事
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 管理職は筋トレ率2倍! 20〜30代の美容・健康意識が市場をけん引
健康意識の高まりや筋トレブームなどを背景に、プロテイン関連市場が成長しており、高たんぱくをうたうお菓子や、レトルト食品なども目にするようになった。今回は、プロテイン食品をどのような人が利用しているのかについて調査した。
成長市場を探せ コロナも値上げも乗り越えて成長するドラッグストア(2025年)
ドラッグストアが伸びている。コロナ禍でも医薬品や消毒薬、マスク、日用品などが好調で成長を続けた。2014年から23年の10年間で、チェーンストアの販売額がほぼ横ばい、コンビニエンスストアでも約1.2倍なのに対して、同期間でのドラッグストアの売上高はほぼ1.7倍に達する。
消費者調査データ キャッシュレス決済 利用経験ついに5割超え 「PayPay」独走態勢なるか
成長著しいキャッシュレス決済サービスのブランドを調査。コード決済の雄、「PayPay」の強さが際立つ結果となった。全項目で首位を獲得したうえに、認知率はほぼ8割、経験率は5割をこえて6割に迫り、全体の半数に利用意向がみられる。