半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2010年08月16日

営業現場の科学
第42回 恐れずに、両面説得する
営業戦略チーム

 商談で自社の商品・サービスを説明する際に、あなたはどんなことを心掛けているだろうか。客観的な特徴、そして相手にとっての役立ち方・メリット、競合他社と比べた場合の優位点などの説明。その内容は、説明している自分にとっては「有利な情報」で、説明を受ける相手にとっては「良い情報」ばかりになってはいないだろうか。このような長所だけを述べる場合のことを「片面説得」と言う。相手が自社の商品・サービスに好意を持っているなど、説明する側と同じ態度である場合や相手が説明される内容にあまり詳しくない場合などは、この片面説得が有効だと言われる。

 しかし、物事には良い面と悪い面があるというのが一般的だ。このため、良い面だけを強調されても、何か悪い面が隠れているのではないかと考える相手もいる。特に、相手が自社の商品・サービスに対する好意や関心を持っていない場合や、知識が豊富で詳しい場合などは、良い面ばかりの片面説得では納得してもらえない。

 そこで、思い切って「良い情報」だけでなく、「悪い情報」も併せて説明することだ。これは「両面説得」と言われる。「ここまで高機能である」「今までに無い、こんなお役立ちができる」、しかし、「価格は若干高く」「納入条件でもいくつか制約が」といった、良い面と悪い面を同時に説明するスタイルである。このことにより、最初から悪い面も包み隠さずに案内するという誠実さや公正さが相手に伝わり、信頼性が高まる。さらに重要なのは、競合の営業があなたの会社の商品・サービスの弱点を挙げ優位に立とうとセールストーク(「逆説得」と言われる)を行った場合でも、事前に両面説得で悪い情報を案内しておくことで免疫が作られ、「逆説得」されにくくなる効果もある。プラス面とマイナス面を提示された上で、形成された「自身の態度」は揺らぎにくくなる。相手を見極めた上で、良い情報を並べるばかりではなく、恐れずに悪い情報も提示することが肝要である。



おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


マーケティング用語集

新着記事

2025.01.22

24年11月の「家計収入」は2ヶ月連続のプラスに

2025.01.22

24年11月の「消費支出」は7ヶ月ぶりのプラスに

2025.01.21

企業活動分析 株式会社サイゼリヤ 24年8月期は引き続きアジアがけん引し増収増益

2025.01.20

MNEXT 新たな成長戦略で日本再生へ―トランプ2.0を契機に転換

2025.01.17

消費者調査データ No.419 キャッシュレス決済(2025年1月版) 利用経験ついに5割超え 「PayPay」独走態勢なるか

2025.01.16

24年11月の「現金給与総額」は35ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2025.01.16

24年11月は「有効求人倍率」、「完全失業率」とも横ばい

2025.01.15

月例消費レポート 2024年12月号 消費は足踏み状態が続いている-国内外からの物価上昇圧力は消費にマイナスの恐れ

2025.01.14

企業活動分析 マンダムの24年3月期は2期連続の増収増益、女性事業が好調

2025.01.10

24年11月の「新設住宅着工戸数」は7ヶ月連続のマイナス

2025.01.09

24年12月の「乗用車販売台数」は2ヶ月連続のマイナス

2025.01.08

企業活動分析 富士フイルムHDの24年3月期は増収増益、過去最高を更新

2024.12.27

24年11月の「ファーストフード売上高」は45ヶ月連続のプラスに

2024.12.27

24年11月の「ファミリーレストラン売上高」は33ヶ月連続プラス

2024.12.27

消費からみた景気指標 24年10月は4項目が改善

2024.12.26

提言論文 消費者が示すサービスブランドの価値実現率-価値伝達なしの生存はない

2024.12.25

24年11月の「全国百貨店売上高」はふたたびプラスに インバウンドや冬物衣料が好調

2024.12.25

24年11月の「チェーンストア売上高」は既存店で2ヶ月ぶりのプラスに

2024.12.24

24年11月の「コンビニエンスストア売上高」は12ヶ月連続のプラスに

2024.12.23

MNEXT 価値と欲望の充当関係とは何か-市民社会の基本原理

週間アクセスランキング

1位 2025.01.20

MNEXT 新たな成長戦略で日本再生へ―トランプ2.0を契機に転換

2位 2025.01.15

月例消費レポート 2024年12月号 消費は足踏み状態が続いている-国内外からの物価上昇圧力は消費にマイナスの恐れ

3位 2019.09.10

戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ

4位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

5位 2024.06.21

消費者調査データ ビール系飲料(2024年6月版) 首位「スーパードライ」、キリンの新ビール「晴れ風」にも注目

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area