商談が進んでクロージングの局面を迎えた際、売上単価アップを狙う工夫を心掛けているだろうか。購入の意思決定を行う段階が、お客様にとっても、その商品・サービスへの関心が高まっている。この好機を活かし、売上単価アップのための提案を行うことが肝心である。その方法には、クロスセルとアップセルというふたつがある。
クロスセルとは、お客様が購入しようとしている商品・サービスに関連するような商品・サービを一緒にお薦めして、購入する商品・サービスの点数を増やすことを通じて、売上単価の向上を狙うものである。ハンバーガーを買った人にポテトやドリンクを奨める、といった手法がこれにあたる。関連する商品・サービスを併せて利用することが、お客様のソリューションにより繋がる、ということを提案することがポイントである。また、クロスセルは、最初に販売する商品・サービスを基点に、周辺へとヨコに拡大するという考え方なので、関連する商品・サービスをすべて一度期に揃えて購入して頂かなくても、事後にもチャンスがある。既存顧客へのこれまでの取引実績や信頼関係を活かし、クロスセルを行う機会を探索することも重要である。
一方のアップセルは、例えば、現在お客様が購入を検討している商品・サービスよりも、グレードや機能などが上位にある高付加価値の商品・サービスを推奨し、販売することをいう。「ここまで予算をご検討でしたら、ワンランク上のこちらはいかがでしょうか?その方が...」といった提案である。アップセルのポイントは、高価格にはなるが、より高いソリューションが享受できるということを、最終的にお客様自身に納得してもらえるように提案することにある。高価であることの価値が説明できなければならない。
さて、最後に、このふたつの方法を組み合わせる視点も持っておきたい。最初に販売する商品・サービスを基点としながら、ワンランク上の商品・サービスへとアップセルを狙い、併せて、関連する商品・サービスのクロスセルを狙う。単価アップのため、お客様への情報提供をもっと工夫してはどうか。
参照コンテンツ
- マーケティング用語集 アップセリング、クロスセリング
- マーケティング用語集 CRM(Customer Relationship Management)
- マーケティング用語集 顧客満足(CS)
- マーケティング用語集 ライフタイムバリュー(LTV)
おすすめ新着記事
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 管理職は筋トレ率2倍! 20〜30代の美容・健康意識が市場をけん引
健康意識の高まりや筋トレブームなどを背景に、プロテイン関連市場が成長しており、高たんぱくをうたうお菓子や、レトルト食品なども目にするようになった。今回は、プロテイン食品をどのような人が利用しているのかについて調査した。
成長市場を探せ コロナも値上げも乗り越えて成長するドラッグストア(2025年)
ドラッグストアが伸びている。コロナ禍でも医薬品や消毒薬、マスク、日用品などが好調で成長を続けた。2014年から23年の10年間で、チェーンストアの販売額がほぼ横ばい、コンビニエンスストアでも約1.2倍なのに対して、同期間でのドラッグストアの売上高はほぼ1.7倍に達する。
消費者調査データ キャッシュレス決済 利用経験ついに5割超え 「PayPay」独走態勢なるか
成長著しいキャッシュレス決済サービスのブランドを調査。コード決済の雄、「PayPay」の強さが際立つ結果となった。全項目で首位を獲得したうえに、認知率はほぼ8割、経験率は5割をこえて6割に迫り、全体の半数に利用意向がみられる。