半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2010年12月10日

営業現場の科学
第45回 単価アップを狙う
営業戦略チーム

 商談が進んでクロージングの局面を迎えた際、売上単価アップを狙う工夫を心掛けているだろうか。購入の意思決定を行う段階が、お客様にとっても、その商品・サービスへの関心が高まっている。この好機を活かし、売上単価アップのための提案を行うことが肝心である。その方法には、クロスセルとアップセルというふたつがある。

 クロスセルとは、お客様が購入しようとしている商品・サービスに関連するような商品・サービを一緒にお薦めして、購入する商品・サービスの点数を増やすことを通じて、売上単価の向上を狙うものである。ハンバーガーを買った人にポテトやドリンクを奨める、といった手法がこれにあたる。関連する商品・サービスを併せて利用することが、お客様のソリューションにより繋がる、ということを提案することがポイントである。また、クロスセルは、最初に販売する商品・サービスを基点に、周辺へとヨコに拡大するという考え方なので、関連する商品・サービスをすべて一度期に揃えて購入して頂かなくても、事後にもチャンスがある。既存顧客へのこれまでの取引実績や信頼関係を活かし、クロスセルを行う機会を探索することも重要である。

 一方のアップセルは、例えば、現在お客様が購入を検討している商品・サービスよりも、グレードや機能などが上位にある高付加価値の商品・サービスを推奨し、販売することをいう。「ここまで予算をご検討でしたら、ワンランク上のこちらはいかがでしょうか?その方が...」といった提案である。アップセルのポイントは、高価格にはなるが、より高いソリューションが享受できるということを、最終的にお客様自身に納得してもらえるように提案することにある。高価であることの価値が説明できなければならない。

 さて、最後に、このふたつの方法を組み合わせる視点も持っておきたい。最初に販売する商品・サービスを基点としながら、ワンランク上の商品・サービスへとアップセルを狙い、併せて、関連する商品・サービスのクロスセルを狙う。単価アップのため、お客様への情報提供をもっと工夫してはどうか。



参照コンテンツ


おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


マーケティング用語集

新着記事

2025.03.07

消費者調査データ RTD(2025年3月版) 「氷結」、「ほろよい」の競り合い続く アサヒの新顔は高いリピート意向

2025.03.06

25年1月は「完全失業率」は横ばい、「有効求人倍率」は改善

2025.03.05

25年2月の「乗用車販売台数」は2ヶ月連続のプラス

2025.03.04

関税政策に日本企業はどう対応すべきか

2025.03.04

25年1月の「新設住宅着工戸数」は9ヶ月連続のマイナス

2025.03.03

企業活動分析 NECの24年3月期は国内がけん引し増収増益

2025.02.28

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 清貧・ゆとり世代が消費を牽引!賞与の使い道は?

 

2025.02.28

消費からみた景気指標 24年12月は7項目が改善

2025.02.28

25年1月の「ファミリーレストラン売上高」は35ヶ月連続プラス

 

2025.02.28

25年1月の「ファーストフード売上高」は47ヶ月連続のプラスに

2025.02.27

MNEXT 情況の戦略判断シリーズ トランプを揺るがすネット世論 - 正体は「ルサンチマン」

  

2025.02.27

減税政策は人気とりのバラマキ政策か

2025.02.27

月例消費レポート 2025年2月号 消費は改善の動きが続いている - 物価や金利の上昇ペース次第で消費回復のブレーキとなるおそれも

2025.02.26

25年1月の「全国百貨店売上高」は3ヶ月連続のプラスに

  

2025.02.26

25年1月の「チェーンストア売上高」は既存店で3ヶ月連続のプラスに

2025.02.26

25年1月の「コンビニエンスストア売上高」は2ヶ月ぶりのプラスに

2025.02.25

企業活動分析 ヤマダHDの24年3月期は主力のデンキセグメント不振で3期連続の減収減益へ

2025.02.21

消費者調査データ スナック菓子(2025年2月版) 経験率7割超、カルビー「ポテトチップス」の人気揺るがず

2025.02.21

24年12月の「旅行業者取扱高」は19年比で79%に

2025.02.20

24年12月の「商業動態統計調査」は9ヶ月連続のプラス

2025.02.19

月例消費レポート 2025年1月号 消費は改善の動きがみられる - 国内外からの物価上昇リスクが消費回復を妨げるおそれも

2025.02.18

25年1月の「景気の先行き判断」は5ヶ月連続の50ポイント割れに

2025.02.18

25年1月の「景気の現状判断」は11ヶ月連続で50ポイント割れに

週間アクセスランキング

1位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

2位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

3位 2024.06.21

消費者調査データ ビール系飲料(2024年6月版) 首位「スーパードライ」、キリンの新ビール「晴れ風」にも注目

4位 2025.02.27

減税政策は人気とりのバラマキ政策か

5位 2013.03.22

MNEXT ビックカメラによるコジマの買収はメーカーを巻き込んだ衰退業界再編の始まり

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area