半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2015年01月26日

営業現場の科学
第46回 一緒に吊り橋を渡る
営業戦略チーム

 お客様との取引関係を長期的で継続的なものにするために、あなたはどのような活動を心掛けているだろうか。短中期の販売・活動計画、定期訪問活動や新商品やリニューアル商品の発売時のタイミング良いご案内やご提案、アフターフォロー活動など、関係性を維持するための活動には様々なものがある。こうした営業活動に、さらに幅を持たせるために「吊り橋効果」を活用してみてはどうだろう。

 人は、危険や苦難を共に経験した相手を通常よりも高く評価する傾向にあり、連帯感や親近感を持ってくれるというのが吊り橋効果である。例えば、あなたの職場でも、お客様からの緊急なご要望に応える事態が発生し、そのための作業を一緒に行ったメンバーとはそれまで以上に絆が深くなったなど、思い当たることもあるのではないか。苦況を共有することを通じ、無意識に仲間意識が醸成され、結束力が高まるということである。この効果を意識してお客様の関係作りに応用する。

 例えば、商談の際に相手の業務推進上の課題を聞き出す。そして自社の商品・サービスの直接的な販売に結びつかなくても、業務効率化などに役立つ提案やアドバイスを差し上げる。こうしたことを通じ、「私は、何時でも何事でも、あなたと一緒に考えている」という姿勢を示すことで、より一層の親近感を持って頂く。このためには、些細なことでも良いので、相手が困っていることを様々な角度で聞き出すことである。また、商品・サービスを説明する時には、その特徴が先方にどのような利益を生み出すか、価値があるか、などに翻訳して伝えることが基本である。この時に、その商品・サービスの開発のためにどのような苦労があり、それをどのように乗り越えて商品化したのかといった話を加えることも有効である。開発のための苦心談を共有してもらうことを通じ、親近感を持って頂くことを狙うものである。

 ただし、吊り橋効果は一時的で長続きしないとも言われている。効果を持続させるためには、相手との間に長期的な共通課題や目標などを設定し、一緒に解決のために取り組んでいることが相手に伝わるように演出を工夫することが肝要である。



おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


マーケティング用語集

新着記事

2024.11.20

24年9月の「旅行業者取扱高」は19年比で75%に

2024.11.19

24年10月の「景気の先行き判断」は2ヶ月連続の50ポイント割れに

2024.11.19

24年10月の「景気の現状判断」は8ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.11.18

企業活動分析 アルファベット(グーグル)の23年12月期は、グーグルサービスがけん引し売上過去最高を更新

2024.11.18

企業活動分析 アマゾンの23年12月期はAWSがけん引し営業利益前年比3倍へ

2024.11.15

24年9月の「現金給与総額」は33ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.11.14

24年9月の「消費支出」は5ヶ月連続のマイナスに

2024.11.14

24年9月の「家計収入」は5ヶ月ぶりのマイナス

2024.11.13

24年9月は「完全失業率」、「有効求人倍率」とも改善

2024.11.12

企業活動分析 ローソンの23年2月期は、「地域密着×個客・個店主義」徹底し増収増益

2024.11.12

企業活動分析 セブン&アイHDの24年2月期は海外事業の影響で減収も過去最高益を更新

2024.11.11

24年10月の「乗用車販売台数」は2ヶ月連続のプラス

2024.11.08

消費者調査データ No.416 レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア

2024.11.07

企業活動分析 楽天グループの23年12月期は27期連続増収も、モバイルへの投資で4期連続の赤字

2024.11.07

24年9月の「新設住宅着工戸数」は5ヶ月連続のマイナス

2024.11.06

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場  背景にある簡便化志向や節約志向

2024.11.05

企業活動分析 ファンケルの24年3月期算は国内売上がけん引し、3期ぶりの増収増益へ

2024.11.05

企業活動分析 コーセーの23年12月期は、国内好調も中国事業低迷で増収減益に

2024.11.01

成長市場を探せ コロナ禍の落ち込みから再成長する惣菜食市場(2024年)

2024.10.31

月例消費レポート 2024年10月号 消費は緩やかな改善が続いている-政治が消費回復のリスクに

2024.10.31

消費からみた景気指標 24年8月は6項目が改善

週間アクセスランキング

1位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

2位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

3位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

4位 2024.02.02

成長市場を探せ コロナ禍乗り越え再び拡大するチョコレート市場(2024年)

5位 2021.05.25

MNEXT 眼のつけどころ プロ・マーケティングの組み立て方 都心高級ホテル競争 「アマン」VS.「リッツ」(1)

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area