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優れた戦略は、タイミングを見極め、攻守の切り替えをうまく実行できている。日本海海戦は「ここぞ」という絶妙のタイミングでバルチック艦隊と戦うことができた。一歩でも間違っていれば違う結果になっていたはずだ。第2次大戦時の連合軍は、日本側の暗号を解読し真珠湾攻撃の可能性を察知しておきながら、その事実を隠した。なぜなら攻撃前にその事実を公表すれば、今後の作戦遂行上、大きな打撃をうける結果になることは明らかだと判断したからである。戦史と同様、企業の戦略にもタイミングがある。
勝機を逃す多くのパターンは、市場の芽を軽視することにある。最近の例でいえばインターネットの爆発的な普及がある。日本の家電情報産業はこのタイミングを逃し、欧米企業に大きな遅れをとってしまった。逆にビル・ゲイツは「Shift The Internet」の大号令を社内に発信し、経営資源の多くをインターネット関連に集中し今日の地位を確保することができた。今後という観点ではブロードバンド化ということになる。この流れを自社の戦略やマーケティングに取り入れようとしている企業は少ない。
参照コンテンツ
- MNEXT 戦略的思考とは何でしょう?(2003年)
- MNEXT 眼のつけどころ 戦略思考をどう身につけるか-スポーツ観戦で学ぶ(2019年)
- MNEXT 眼のつけどころ 高収益な市場プラットフォーム事業をどう創出するか?-MSP事業創出作法(2018年)
- MNEXT 力の論理─世界の戦いの歴史に学ぶ戦略経営法(2010年)
- MNEXT 顧客志向の高収益ビジネスモデルをどうつくるか?-市場プラットフォーム戦略の論理と事例(2012年)
- マーケティング用語集 イノベーター理論
シリーズ 戦略思考を鍛える
- 紹介文 戦略思考を鍛える(MNEXT)
- 第1章 目的の設定の仕方-目的と手段関係の明確化
- 第2章 資源の集中のさせ方
- 第3章 戦略的機動の用い方
- 第4章 攻撃の仕方
- 第5章 防御の仕方
- 第6章 タイミングの計り方
- 第7章 組織心理の掴み方-戦略思考をつなぐのは組織心理
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