一大ブランド消費市場に変貌する中国 | |
楊 亮 | |
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今年5月、英ファイナンシャルタイムス主催の「第1回高級ファッションブランド・サミット」(FT Business of Luxury Summit)が上海で開催された。有名高級ファッションブランドのCEO及び大手投資会社JPモルガン、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーのアナリストなど約400名が出席し、「New Market, New Luxury」について3日間の討論が交わされた。ゴールドマン・サックスのブランド消費研究報告によると、2004年中国国内の高級ファッションブランドの消費額は世界の12%に達した。中国はいま世界で最もブランドマーケットの成長が著しい地域として注目されている。国別での売上をみると、中国はルイ・ヴィトンでは第4位、グッチでは第5位になっている。
モルガン・スタンレーのアナリストは、中国でブランド市場が成熟期に入ると、同市場の消費者は1億人に達すると分析している。高級ブランドの中国市場進出を加速するために、中国政府は今年7月から海外からの帰国者を対象に新たな税制を実施している。海外で購入したブランド商品は、帰国時空港で課税対象となり、高級ファッションや腕時計には購入金額の10%、電子製品には20%、タバコや酒類には50%が課せられる。ブランドものの海外と国内における価格格差の縮小を狙う同時に、中国人の海外でのブランドもの購入ブームにブレーキをかける効果も期待できるだろう。 「世界の工場」の中国はいま、世界ブランドの大消費地に変わりつつある。 (2005.09)
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